アプローチウェッジは、47度〜50度のウェッジです。アプローチショットやバンカーショットなどグリーン周りの短い距離からのショットに使用するクラブですが、クラブセッティングのウェッジの中にアプローチウェッジは必ずしも必要とは言われていないのも事実です。
ピッチングウェッジやサンドウェッジがアプローチウェッジの代わりの役割を果たしてしまうためアプローチウェッジを必要とするか否かは個人のプレースタイルによります。
では、アプローチウェッジはどんな時に使用するのが適切なのか、本当に自分にとって不必要なクラブなのかどうか詳しく解説していきます。
目次
1.アプローチウェッジとは
アプローチウェッジは、Aウェッジとも呼ばれています。
そもそもアプローチウェッジが存在している目的は、ピッチングウェッジ(PW)とサンドウェッジ(SW)の間のヤードを埋めるためのクラブです。
ピッチングウェッジとサンドウェッジの違いは、ロフト角です。
ピッチングウェッジ(PW)のロフトが40度半ばから前半で、サンドウェッジ(SW)のロフトは50度半ばにとどまっているため、その間のロフト角を持つアプローチウェッジ(ロフト47度〜50度)が存在しています。
PWとSWとのロフト角の違いがわかれば、適切な場所でアプローチウェッジを利用できるのでラウンド上で非常に役立つクラブだと思います。
特に目の前に障害物がある場合なんかに最適なクラブです。
このように海外ではPWとSWの間を埋めるクラブとしてギャップウェッジ(アプローチウェッジのこと)とも呼ばれています。
2.アプローチウェッジのロフト
アプローチウェッジを本当に理解するためには、ここ数年のロフトの変化について知らなければなりません。
アイアンのロフトはここ数年で劇的に変化しています。例えば、7番アイアンのロフトは10年前の5番アイアンのロフトに似ています。
ヘッドとシャフトの両方の進化によりアイアンのロフトを減らすと同時に、より高いボールを打つことが可能になっている良い変化だと感じます。
これはウェッジのついても同様の変化が起こっています。
アプローチウェッジのロフトは、昔50度から54度が定番でした。現在はメーカーにもよりますが、アプローチウェッジの角度は約47度〜52度です。
主なゴルフメーカーの人気モデルのアプローチウェッジのロフトを調べてみました。
アイアンモデル | アプローチウェッジのロフト |
ウィルソン|D9 | 47度 |
キャロウェイ|アペックス | 48度 |
コブラキング|ラッドスピード | 48度 |
タイトリスト|T300 | 48度 |
ミズノ|JPX921 | 49度 |
スリクソン|ZX4 | 49度 |
テーラーメイド|SIM2マックス | 49度 |
ツアーエッジ|エキゾチックC721 | 49度 |
ピン|G425 | 49.5度 |
どれも上級者向けに設計されたアプローチウェッジですがロフトが低く設計されています。
手持ちのPWとSWのロフト角を確認した上で、アプローチウェッジのロフト角を確認してください。
そうすることで本当に必要なロフト角のアプローチウェッジなのかどうかがわかります。
3.アプローチウェッジとピッチングウェッジの違い
正直にいいますが、アプローチウェッジを使うかどうかは完全にプレーヤー次第です。あえて使いやすい場面をあげるとするとアプローチウェッジは、グリーン周りでランが必要なピッチショットを非常に打ちやすいクラブです。
ロフト角
アプローチウェッジはピッチングウェッジのロフト角度より高いロフト角を持っています。
このことからボールを短い距離で高く打ち上げ、グリーン上で止まりやすく、ピッチングウェッジはそれよりも長い中距離のアプローチショットと打ち分けます。
シャフトの長さ
アプローチウェッジは、ピッチングウェッジよりもシャフトがやや短いです。これによってコントロールがより簡単になり精密なショットが打ちやすいです。
アプローチウェッジでフルスイングすると、ピッチングウェッジよりも飛距離が8から15ヤードほど短くなります。
コントロール性
アプローチウェッジはグリーン周りでの精密なコントロールが必要な重要な場面に対応ができます。ピッチングウェッジは中距離のアプローチなどの飛距離の確保が必要な場面でその性能をより発揮します。
アプローチウェッジとピッチングウェッジとの違いをまとめてみました。
ピッチングウェッジ | アプローチウェッジ | |
平均飛距離 | 約118ヤード | 約105ヤード |
ロフト | 45度 | 50度 |
最適な用途 | フルスイングか、3/4スイングで使用する人が増えており、チップショットやピッチショットは減少傾向 | グリーン周りのチップショットとピッチングショットが最近は増えており、フルショットは減少傾向 |
長さ | 35.75インチ | 35.5インチ |
4.アプローチウェッジとサンドウェッジの違い
アプローチウェッジは、サンドウェッジよりも飛距離を出すことができるクラブです。フルスイングからの飛距離は8から15ヤードは飛ぶことが理想的です。
違いは飛距離だけではありません。アプローチウェッジはサンドウェッジよりもシャフトが長く、ロフト角度が5から8度少ないので打ち出しが低くなり、遠くに飛ぶし転がりやすいのも違いです。
サンドウェッジは、ほとんどバンカーで活躍するクラブです。
アプローチウェッジはバンカーというよりもアイアンセットの延長にあるようなクラブでグリーン周りで活躍できる利点の多い設計が施されています。
サンドウェッジ | アプローチウェッジ | |
平均飛距離 | 約92ヤード | 約105ヤード |
ロフト角度 | 54-56 | 47-50 |
最適な用途 | バンカーからのショット。 | グリーン周りのチップショットとピッチングショット |
シャフトの長さ | 35.25インチ | 35.5インチ |
アプローチウェッジを使えば、十分な高さを出しながらもコントロールしやすくグリーンに着地させる確率を高めるショットが打てる可能性があります。
5.アプローチウェッジとロブウェッジの違い
ロブウェッジとアプローチウェッジどちらもグリーン周りで使用されるウェッジですよね。どんな違いがあるのか分かりやすくまとめました。
ロフト角
ロブウェッジのロフト角は58度から64度以上の非常に高いロフト角です。ロフト角が高いことでボールを非常に高く打ち上げ、急角度でグリーンに着地させることを狙うショットを打つことが可能です。
アプローチウェッジのロフト角は47度から50度なのでロブウェッジほど極端に高い角度ではありません。グリーン周りではピッチングウェッジよりも飛距離の短い正確なピッチショットを狙うことができます。
最適な用途
ロブウェッジは高い弾道でボールを打ち上げ障害物を超えたり、グリーン上に柔らかくボールを止めたりする時に最適なクラブです。特にバンカーショットや高い傾斜からのショットで使われます。
アプローチウェッジは、中距離から短距離のアプローチショットに特化しているクラブです。ロブウェッジほど極端なショットには向いていないクラブです。
ロブウェッジ | アプローチウェッジ | |
平均飛距離 | 約80から100ヤード | 約105ヤード |
ロフト角 | 58-64 | 47-50 |
最適な用途 | 障害物を超えたりする高い弾道 | グリーン周りのチップショットとピッチングショット |
シャフトの長さ | 34インチから35インチ | 35.5インチ |
PW/SW/LWとアプローチウェッジの違いを解説してきました。
明らかな違いがあるもののアプローチウェッジで検索すると「いらない」との検索ワードがヒットしました。その理由を調査してみました。
6.アプローチウェッジがいらないと言われる理由
アプローチウェッジは、特定のアプローチショットは打てるものの、他のクラブで同様のショットを打つことでアプローチウェッジを持たないという理由が多いです。持つクラブを最小限にすることを良いとする流れがあるのでアプローチウェッジはその選抜からこぼれてしまうようです。
それがピッチングウェッジやサンドウェッジなんです。
アプローチウェッジの使い所は短い距離での精密なアプローチショットなんですが、フルショットを打つことに使うことを好むプレーヤーが多い傾向になり、アプローチウェッジの本来の目的が失われているようです
バンカーショットでもアプローチウェッジは使用できるのですが、サンドウェッジを使うプレーヤーが多く必要性を感じないプレーヤーが多いです。
そんなアプローチウェッジですが、ツアープロ達には欠かせないクラブです。
最後にアプローチウェッジを得意とするツアープロ達を紹介して終わります。
ジョーダンスピース(Jordan Spieth)、松山英樹選手、ジャスティントーマス(Justin Thomas)、フィルミケルソン(Phil Mickelson)、特にアプローチショットやショートゲームが非常に得意な選手です。緻密(ちみつ)なアプローチショットが国際的にかなり注目されています。
まとめ
アプローチウェッジはクラブセッティングの際に省かれてしまう悲しいクラブですね、コントロール性やアプローチショットの緻密さや解像度をあげたいプレーヤーにはとっておきなクラブだと感じました。
ある意味上級者向けのクラブという地位を確立できるクラブではないでしょうか。
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