ゴルフクラブのシャフトは、クラブヘッドとプレーヤーの間にあり、スイングで発生するパワーを伝えてボールへのエネルギー伝達をする重要な役割を持っています。
ゴルフシャフトには、フレックスと言われる硬さとトルクと言われるねじれには種類があり自分に合ったものを選ぶことができます。
今回はシャフトの選び方の基本と、ドライバーとアイアンのおすすめシャフトと推奨ヘッドスピードまでまとめました。
少し玄人目線ですが、人気のゴルフシャフトメーカーとそれぞれの特徴をまとめましたのでご紹介できればと思います。
1.シャフト選びの基本
ゴルフのシャフトを選ぶときの基本的なポイントと注意点を解説していきます。
ゴルフのシャフト選びには時間がかかります。なので時間に余裕がある時にお店に行くか、または日程を分けて時間をかけて納得のいくものを選ぶことをおすすめします。
自分のヘッドスピードの確認
はじめに、自分のヘッドスピードを確認します。これはシャフトを選ぶ時の基本となります。
クラブフィッティングやゴルフショップの方に相談すればヘッドスピードを測定してもらえます。ヘッドスピードはドライバーを基本としアイアンも計測しておくのをおすすめします。
フレックスを選ぶ
ヘッドスピードに基づいて、適切なシャフトのフレックス(硬さ)を選びます。ヘッドスピードは一般的にドライバーのヘッドスピードのことです。
ヘッドスピードが遅い場合は柔らかいフレックス、早い場合は硬いフレックスがおすすめです。
ヘッドスピード(m/s) | フレックス(硬さ) | 選び方 |
22-27 | L | ヘッドスピードが比較的遅い女性ゴルファーに向けの柔らかいシャフト |
27-31 | A | ヘッドスピードが遅いシニアゴルファー向けのシャフト |
31-36 | R | 平均的なヘッドスピードのゴルファー向けの中程度の硬さのシャフト |
36-41 | S | ヘッドスピードが早いアスリート向けの非常に硬いシャフト |
41以上 | X | 非常に早いヘッドスピードの上級者向けの非常に硬いシャフト |
重さを選ぶ
シャフトの硬さを決めたら次にシャフトの重さも重要です。軽いシャフトはスイングがかなり振りやすく、ヘッドスピードを増加させます。
重いシャフトはスイングがより安定感がありコントロールがしやすいです。
シャフトの重さ(g) | 選び方 |
超軽量(50−65g未満) | 振りやすく、ヘッドスピードを上げやすい |
軽量(66-85g) | ヘッドスピードを上げつつ一定の制御性がある |
標準(86-105g) | 一般的な重さでバランスが取れたシャフトの重さ |
重量(106-125g) | スイングの安定性を上げコントロールもしやすい |
超重量(124g以上) | コントロールが重要視され、力強いスイングを作る |
シャフトの重さは、スイングの感触やプレースタイルに合わせて選びましょう。振り心地とボールへの当て感。自分が好むかどうかが重要です。
さらに狙ったところに飛ばせるかどうかのコントロール性とともに理想の飛距離を安定して出せるか。しっかりフィッティングをして最適な重さを見つけていきましょう。
個人的にはプレースタイルを重視して選ぶことが多いです。「自分はどんな球を今後打っていきたい」という理想を含めて選ぶとやる気が出てくるからです。
ゴルフ初心者さんでどうしても選べない時は、標準的な重さのシャフト(86-105g)から始めてみてください。
トルク(ねじれ)を調整する
シャフトの硬さと重さを決めたら最後にトルクを調整します。
トルクとはシャフトのねじれを表します。シャフトのねじれとは、シャフトがスイング中にどのくらいねじれるかで、具体的には、シャフトの先端であるグリップエンドと、クラブヘッドのエンドであるヘッドエンドの間で測定されます。その単位がトルクであることからトルクを調節すると言われています。
トルクが低いほどシャフトはよりしっかりとしてねじれが少ないと表現されます。
個人的にあシャフト選びの中でフレックスや重さよりもトルクが最も重要だと思います。なぜならスイングへの影響が最もダイレクトに出るからです。
ゴルフのねじれとしなりの違い
ここで間違いやすいのが、ゴルフのねじれとしなりの違いです。
ねじれとは、ゴルフシャフトがスイング中にねじられるかでトルクと呼ばれます。
しなりとは、ゴルフシャフトがスイング中にどれぐらい曲がるかでフレックスに関係をしてきます。柔らかいシャフトの方がシャフトはしなりやすいと考えて良いです。
シャフトの素材を選ぶ
最後にシャフトの素材も確認しておきましょう。ゴルフのシャフト素材は4種類あります
- スチール
- カーボンファイバー
- アルチマテリアル
- チタン
それぞれの特徴とメリットデメリットもまとめました。
スチールシャフト
スチールシャフトは昔からゴルフシャフトに使われている素材で、耐久性があり重くしっかりとした振り超えが特徴です。現代では力強いスイングをしたいプレーヤーにおすすめできます。
ただ進化した素材も使用されてきている現在では重く、ヘッドスピードを上げにくい方もいます。
カーボンファイバーシャフト
カーボンファイバーを使ったシャフトは軽く、しなりが大きくヘッドスピードを上げやすいのが特徴です、カーボン素材の進化により人気も高いですが価格も高いのが難点です。なのに耐久性はスチールより低いです。
マルチマテリアルシャフト
さまざまな素材を組み合わせたシャフトがマルチマテリアシャフトです。スチールに軽量素材を組み込んだりしてバランスの良いシャフトを作り出したりとさまざまな顔をお持角で、プレーヤーの要望に応えてくれる素材です。ただ、一般流通がないため大量生産されにくくかなり高額になので欲しくてもなかなか手に入れることができません。
チタンシャフト
少ないですが、チタンを使用したシャフトもあります。軽量なのに高い強度を持つのが特徴で、抜群の反発性があることからヘッドスピードも上がりやすいと期待できます。
スチールやカーボンに比べさらに高価ですししなりがやや少なめです。
グラファイトシャフト
グラファイトシャフトは、非常に軽量であるため、クラブのトータルウェイトを抑えることすらできます。軽量であることから振りやすさやヘッドスピードの向上が大幅に期待できます。
さらにしなりが大きいことが特徴で振りやすく高い反発性を持つことからボールに対して力強いヒットを生むことで飛距離も伸ばしやすいと言われています。
必ずフィッティングを行う
シャフトを選んだら必ず試打をすることをおすすめします。フィッティングをしてみて本当に満足したら購入を検討をしはじめてください。
ゴルフシャフトの基本の選び方を解説しました。これらを手順にシャフトと選ぶことで自分に合った最前で理想のシャフトを選択できているはずです。
2.シャフト選びの注意点
シャフト選びの基本について解説しました。次に注意点もあわせて解説します。
試打やフィッティングをしないで購入する
シャフトを選ぶということはこれまで使っていたシャフトから変える交換するという場合がほとんどかと思います。
もし試打やフィッティングをせずにショップ店員さんの説明だけで「良さそうだな」と購入してみて、いざ打ってみるとむしろプレースタイルが悪くなったなんてことはざらにあります。一番避けたいことはシャフトが自分にとって相性の良くないものだった時、それを使い続けると変な癖がついてしまうことです。
スイングの調節
シャフト選びは良いキッカケなのでスイングの調節はこの時に行なってください。プレースタイルの好みや今後どんなスイングを打っていきたい、どう進化したいのか、攻撃的なスイングをしたいのか、コントロール性を重視したいのかなどを戦略的にイメージしておくことでシャフト選びがより自分に適切なものとなっていくはずです。
シャフトメーカー内での比較をする
ゴルフクラブの中で最も進化したのはシャフトと言われるほど、ゴルフシャフトの進化はこれまでもこれからも進化が期待できる部位です。そこから有名シャフトメーカーの製品を比較して検討することをしてみてください。
同じフレックスや重さでもモデルによって特徴が変わります。
予算をある程度決めておく
シャフトはゴルフクラブのパーツの中でも最も異なる価格帯があると思います。なのである程度予算を決めておかないといつまで経ってもシャフトを購入する踏ん切りがつかないということが多々起こってしまします。
3.有名なシャフトメーカー7社
さて、ゴルフのシャフトについて詳しくなってきたところで、有名なシャフトメーカーの紹介をしていきます。
シャフトメーカーの歴史や理念を知ることでも「自分はここのを使いたい!」と思えるシャフトに出会えるものです。
トゥルーテンパー(True Temper)
究極のパフォーアンスを提供するとの理念を掲げるトゥルーテンパー。1888年にアメリカで創業し世界的なスチールシャフトメーカーです。人気のシャフトは、Dynamic GoldやProject Xがあります。
フジクラ(Fujikura)
パフォーマンスと確信に焦点を当てたシャフト作りの神様フジクラ。1974年に日本の東京で創業し世界的有名なシャフトメーカーまでに成長。人気のシャフトは、VentusやSpeederがあります。
グラファイトデザイン(Graphite Design)
高品質なグラファイトシャフトで知られ、1989年に創業、日本の埼玉を拠点に世界中のプロゴルファーに広く熱く支持されています。人気のシャフトはTour ADです。
アルディラ(Aldila)
高性能なグラファイトシャフトを提供するアルディラ社。1972年にアメリカで創業し、PGAツアーで多くの勝利を収めているシャフトです。人気のシャフトはRogueやNVがあります。
USTマミヤ(UST Mamiya)
USTマミヤハカーボンファイバーシャフトの生みの親と呼ばれる会社です。1991年に創業しボールスピードとコントロールに焦点を当てたシャフトを製造しました。人気のシャフトにはRecoilとLIN-Qがあります。
日本シャフト(Nippon Shaft)
技術革新と品質に注力を注いできたシャフトメーカーです。1959年に創業した日本のシャフトメーカーで、アイアンシャフトが特に有名です。人気シャフトはModus3とN.S. Proです。
三菱ケミカル(Mitsubishi Chemical Golf Shafts)
三菱ケミカルのゴルフ部門ゴルフ部門は高品質かつ、先進的なシャフトを製造しプロやアマチュアから広く支持されています。人気のシャフトはDiamanaやTenseiがあります。社名より商品名で知っている人は多いのではないでしょうか。
また先ほど紹介したアメリカのアルディラ(Aldila)は、アジア市場によりフィットした商品開発を行うため、三菱ケミカルのサポートを受けて共にプロジェクトを発足している仲です。
スリリング(Threering)
Threeringは上級者の方はもちろんのこと初心者の方にも入りやすいデザイン性が特徴的でおしゃれなシャフトが取り揃っていることで有名です。
インパクトとヘッドの走りに特化したハルカナ、ボールの打感とヘッドの走りに特化したアオサキといったブランドのシャフトが人気です。
今回紹介したゴルフシャフトメーカーはこれだけではありません。他にも日本国内にはたくさんありますので、ぜひ自分にフィットしたシャフトメーカーを探してみてください。
4.シャフトを交換すべきクラブランキング
ゴルフシャフトを交換すべきかどうかは、決まっていませんが、ある程度上達をしてきて自分のプレースタイルやスイングが安定して自分のものにある程度なってきた際にするのがおすすめです。
もちろん自分の好きなクラブの順序でシャフトを選べばいいのですが、参考程度に交換するとプレーに恩恵を受けやすいクラブ(番手)をランキング形式で紹介します。
ドライバー
ドライバーはティーショットで使用されるクラブで、飛距離向上や正確性の向上を常に期待するクラブですよね、シャフトの適性やフレックスや重さがヘッドスピードに影響することから、シャフトの影響は極めて大きいです。
フェアウェイウッド
フェアウェイウッドはティーショットやセカンドショットで使用され、比較的長い距離をカバーするときに使われます。ドライバーのシャフトと同様に検討されれるべきクラブです。
ユーティリティー
ユーティリティーは長いアイアンとウェアウェイウッドの中間の距離を打てるクラブなので、多くのプレーヤーはラウンドに持っていく傾向にあります。シャフトとの相性から正確なアプローチやセカンドショットに影響がある可能性があります。
アイアン(特に長い番手から)
長いアイアンは飛距離のコントロールがかなり難しいので初心者はほとんど使えず、上級者向けのクラブです。なので個人のプレースタイルやスイングスタイルに左右されるのですが、シャフトを考慮することで、理想のクラブに仕上げることができます。
ウェッジ
ウェッジは短いアプローチやバンカーショットなど精密かつコントロール性の高いショットで使用されます。あえて重いシャフトにして安定性のあるスピンもコントロールできるものを検討してもいいかもしれません。
パター
パターのシャフトは固定されているので交換するよりもヘッドの形状や重さの方が重要です。
シャフト交換を考慮してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ヘッドスピードがわかれば自分に合ったシャフトを選ぶことができます。だから自分のヘッドスピードを知っていることは重要なのです。
シャフト選びは、素材から重さ、トルクなど自分に合ったものを選択できますので、ぜひしっかりとフィッティングを行い理想の一打を目指してください。
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