インパクトで息を吐くと飛距離が10ヤード伸びる?
いきなり結論から言います。ゴルフのスイング中、特にインパクトの瞬間に息を吐くことで、飛距離が平均10〜15ヤード伸び、方向性も安定します。
僕自身、以前はスイング中に無意識に息を止めていて、ドライバーで220ヤードがやっとでした。でも呼吸法を変えただけで、今では平均235ヤード飛ぶようになったんです。接待ゴルフで取引先の部長より飛ばせるようになって、ちょっと鼻が高くなりました(笑)。
呼吸とスイングの関係を理解すれば、明日からすぐに実践できます。道具もお金も必要ありません。必要なのは「息を吐く」という意識だけです。
1.なぜインパクト時の呼吸が重要なのか

スイング中の呼吸がゴルフに与える影響は、想像以上に大きいんです。
呼吸とスイングの科学的な関係
呼吸を止めると、体が緊張して筋肉が硬直します。これは人間の本能的な防御反応で、重いものを持ち上げる時や力を入れる時に自然と起こる現象です。
でも、ゴルフスイングに必要なのは「力」ではなく「スピード」と「リズム」。筋肉が硬直すると、以下のような悪影響が出ます:
- ヘッドスピードが3〜5m/s低下
- 体の回転がスムーズにできなくなる
- 手首や腕に余計な力が入る
- インパクトのタイミングがズレる
実際、PGAツアーのプロゴルファーを分析した研究では、ほぼ全員がインパクト前後に息を吐いていることが確認されています。
息を止める癖がついてしまう理由
多くのゴルファーが無意識に息を止めてしまうのには、理由があります。
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「力を入れなきゃ」という思い込み ボールを遠くに飛ばそうとして、つい力んでしまう。僕も100切りを目指していた頃、ティーショットのたびに全身に力を入れて、結果的に息を止めていました。
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集中しすぎによる緊張 「絶対にミスできない」というプレッシャーがかかると、体が硬くなります。接待ゴルフの1番ホールとか、まさにこの状態になりますよね。
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呼吸を意識したことがない そもそも、ゴルフで呼吸を教えてもらう機会って少ないんです。グリップやアドレスは習っても、呼吸法はスルーされがち。
2.正しい呼吸のタイミングとやり方

では、具体的にどのタイミングで、どう呼吸すればいいのか解説します。
スイングの各段階での呼吸法
1. アドレス:ゆっくり深呼吸 構えた時に、まずは深呼吸を1回。鼻から吸って、口からゆっくり吐きます。これで余計な緊張がほぐれます。
2. テークバック:息を吸い始める クラブを引き上げる時に、自然に息を吸います。無理に大きく吸う必要はありません。体の動きに合わせて自然に。
3. トップ:息を吸いきる トップオブスイングで息を吸いきります。ただし、吸いすぎて胸がパンパンになるのはNG。7〜8割くらいで十分です。
4. ダウンスイング開始:息を吐き始める ここが最重要ポイント。切り返しのタイミングで息を吐き始めます。「フッ」と短く吐くイメージです。
5. インパクト:しっかり息を吐く インパクトの瞬間に「フンッ」とか「ハッ」という感じで、しっかり息を吐きます。声に出してもOK(実際、プロでも声を出す人は多いです)。
6. フォロースルー:息を吐ききる フィニッシュまで息を吐き続けます。ここで息を止めると、体の回転が止まってしまいます。
初心者でも簡単にできる練習法
いきなりコースで実践するのは難しいので、まずは練習から始めましょう。
練習法1:素振りで呼吸のリズムをつかむ クラブを持って、ゆっくり素振りをしながら呼吸を意識します。「吸って、吸って、吐いて、吐く」とリズムを口に出すのも効果的です。
僕は毎朝、出社前に玄関で10回素振りしながらこの練習をしています。妻には「また変なことやってる」と言われますが(笑)。
練習法2:練習場で音を出す 打ちっぱなしで、インパクトの瞬間に「ハッ」と声を出して打つ練習をします。最初は恥ずかしいかもしれませんが、周りも結構やってます。
これを1バケット(50球)続けると、自然と呼吸とスイングが連動してきます。
練習法3:ショートアプローチから始める いきなりドライバーで実践するのではなく、30ヤードくらいのアプローチから始めましょう。短い距離なら呼吸に集中しやすく、成功体験も積みやすいです。
3.インパクト時の呼吸が改善するゴルフの悩み

呼吸法を変えると、様々な悩みが解決します。実体験ベースでお話しします。
飛距離不足の解決
before:ドライバー平均220ヤード、力いっぱい振っても230ヤードが限界
after:リラックスして235〜240ヤード、調子がいい時は250ヤードオーバー
なぜこんなに変わったのか。答えは「ヘッドスピードの向上」です。
息を止めると筋肉が硬直して、ヘッドスピードが落ちます。でも息を吐くことで筋肉がリラックスし、スムーズな体の回転が可能になります。結果、力を抜いているのにヘッドスピードが上がるという不思議な現象が起きるんです。
僕の場合、弾道測定器で計測したら、ヘッドスピードが39m/sから42m/sに向上していました。これだけで約15ヤードの飛距離アップです。
スライスやフックの改善
息を止めてスイングすると、インパクトで手首が固まってフェースが開きやすくなります。これがスライスの原因。
逆に、力みすぎて手首が過剰に返ると、フックになります。
インパクトで息を吐くことで、手首が自然に動き、フェースがスクエアに戻りやすくなります。僕も以前は右へのプッシュスライスに悩んでいましたが、呼吸を意識し始めてから、フェアウェイキープ率が40%から65%に向上しました。
ダフリやトップの減少
呼吸を止めると、体が上下に動きやすくなります。これがダフリやトップの原因。
特に、インパクトで息を止めると、無意識に体が浮き上がったり沈み込んだりします。
息を吐きながらスイングすると、体の軸が安定して、前傾角度がキープされます。結果、ダフリもトップも激減します。
僕の場合、以前は1ラウンドで5〜6回はダフっていましたが、今では1〜2回程度に減りました。
プレッシャーに強くなる
これは数値で表せませんが、個人的には最大の効果だと感じています。
接待ゴルフの1番ホールで、上司や取引先が見ている中でのティーショット。あの緊張感、わかりますよね?以前の僕は、緊張で息が浅くなり、ガチガチの状態でボールを打っていました。結果、チョロやOBの連発。
でも呼吸法を意識し始めてから、「まず深呼吸、そしてインパクトで息を吐く」というルーティンが、心を落ち着かせるスイッチになりました。
今では、プレッシャーがかかる場面でも、平常心でスイングできるようになりました。これ、本当に大きいです。
4.プロゴルファーも実践する呼吸テクニック

実は、トップゴルファーたちも呼吸を重視しています。
松山英樹選手の呼吸法
松山英樹選手は、スイング前に必ず深呼吸をすることで有名です。PGAツアーの映像を見ると、アドレスに入る前に、鼻から大きく息を吸って、口からゆっくり吐いているのがわかります。
これは、ルーティンの一部であると同時に、緊張をほぐし、集中力を高める効果があります。
タイガー・ウッズの「フンッ」
タイガー・ウッズは、インパクトの瞬間に「フンッ」という声を出すことで知られています。これは息を吐いている音です。
タイガーほどのレベルのプロでも、意識的に息を吐いているということは、それだけ呼吸が重要だという証拠です。
フレッド・カプルスのリラックススイング
「スイング・イージー」で有名なフレッド・カプルス。彼のスイングがあれほど滑らかなのは、呼吸を止めずにリラックスしているから。
カプルスは「力を入れることとスピードを上げることは別物」と語っています。まさに、呼吸法の重要性を示す言葉です。
5.呼吸法を取り入れる際の注意点

良いことづくめの呼吸法ですが、いくつか注意点もあります。
過度な意識は逆効果
呼吸を意識しすぎて、スイングがぎこちなくなっては本末転倒です。
最初は意識的に行う必要がありますが、練習を重ねるうちに、無意識にできるようになります。それまでは、「インパクトで息を吐く」だけを意識すればOKです。
僕も最初の1ヶ月は、呼吸ばかり気にしてスイングが崩れました。でも、2ヶ月目からは自然とできるようになり、3ヶ月後には完全に体が覚えていました。
個人差がある
呼吸のタイミングや深さには個人差があります。
- 鼻から吸う人、口から吸う人
- 大きく吸う人、浅く吸う人
- 声を出す人、出さない人
自分に合った方法を見つけることが大切です。まずは基本の「インパクトで息を吐く」から始めて、そこから微調整していきましょう。
最初は飛距離が落ちることも
呼吸法を取り入れた当初は、一時的に飛距離が落ちることがあります。これは、今まで力任せに打っていたものが、リラックスしたスイングに変わるためです。
でも、これは一時的なもの。1〜2週間もすれば、飛距離は元に戻り、さらに伸びていきます。焦らず続けることが大切です。
6.呼吸法の効果を高める補助トレーニング

呼吸法の効果をさらに高めるためのトレーニングを紹介します。
腹式呼吸の練習
ゴルフに適した呼吸は、胸で吸う「胸式呼吸」ではなく、お腹で吸う「腹式呼吸」です。
練習方法:
- 仰向けに寝て、お腹に手を置く
- 鼻から息を吸って、お腹を膨らませる
- 口から息を吐いて、お腹を凹ませる
- これを10回繰り返す
寝る前に5分やるだけで、腹式呼吸が身につきます。これができるようになると、スイング中の呼吸が格段に安定します。
ヨガやストレッチとの組み合わせ
僕は週1回、近所のスポーツジムでヨガのクラスに参加しています。最初は「男がヨガ?」と思いましたが、これがゴルフに効くんです。
ヨガは呼吸を重視する運動なので、自然と正しい呼吸法が身につきます。さらに、体幹も鍛えられるので、スイングも安定します。
妻と一緒に参加すれば、夫婦の時間にもなって一石二鳥です。
メディテーション(瞑想)
これは少し上級編ですが、瞑想も効果的です。
5分間、静かに座って呼吸に集中する。ただそれだけですが、呼吸への意識が高まり、ラウンド中も自然と正しい呼吸ができるようになります。
僕は毎朝、コーヒーを淹れる前に5分間の瞑想をしています。最初は眠くなるだけでしたが(笑)、続けるうちに集中力も上がりました。
7.実際のラウンドで呼吸法を使いこなすコツ

練習場でできても、コースでできなければ意味がありません。実戦での使い方を解説します。
ルーティンに組み込む
呼吸法を確実に実行するには、プレショットルーティンに組み込むのが一番です。
僕のルーティン例:
- ボールの後ろに立ち、目標を確認
- 深呼吸を1回(鼻から吸って、口から吐く)
- アドレスに入る
- もう一度軽く息を吸う
- スイング開始(テークバックで吸う、ダウンで吐く)
このルーティンを毎回同じように行うことで、呼吸が自動化されます。
プレッシャーがかかる場面での活用
- 1番ホールのティーショット
- 池越えのショット
- 残り150ヤード、パーオンのチャンス
こういう場面では、通常より深呼吸の回数を増やします。1回ではなく、2〜3回深呼吸してからアドレスに入ります。
これだけで、心拍数が下がり、冷静にスイングできます。
ショットごとに意識を切り替える
ドライバーとアプローチでは、呼吸のリズムを変えるのも効果的です。
- ドライバー:ゆっくり大きく呼吸して、スイングも大きく
- アプローチ:短く浅い呼吸で、スイングもコンパクトに
ショットの大きさと呼吸の大きさを連動させると、リズムが取りやすくなります。
8.おすすめの練習アイテムと活用法

呼吸法の習得をサポートするアイテムを紹介します。
スイング練習器具うねり棒

うねり棒でプロの軌道を体験する
ゴルフのスイングプレーンを体に覚えさせるための練習器具です。特殊な形状のシャフトが、正しいスイング軌道を自然と導いてくれます。
このうねり棒で素振りをしながら呼吸法を実践すると、一石二鳥の効果があります。正しいスイングプレーンで振りながら、インパクトで「フッ」と息を吐く。これを繰り返すことで、体が理想的な動きと呼吸のタイミングを同時に記憶します。
僕は週末の朝、家の庭で20回ほど素振りしています。近所の人に「朝から熱心ですね」と声をかけられることもありますが、これが本当に効くんです。室内でも使えるので、雨の日でも練習を欠かしません。
呼吸トレーニング器具
POWERbreathe (パワーブリーズ) プラス 重負荷
これは元々、スポーツ選手のための呼吸筋トレーニング器具です。これを使うと、深く力強い呼吸ができるようになります。
1日2回、朝晩30呼吸ずつやるだけで、ラウンド後半でもバテにくくなりました。特に夏場のラウンドでは効果を実感します。
弾道測定器でデータ確認
Garmin Approach R10
呼吸法を取り入れる前と後で、ヘッドスピードや飛距離がどう変わったかをデータで確認できます。
数値で効果が見えると、モチベーションが上がります。僕はこれで自分の成長を記録しています。練習場に持っていけるサイズなので、重宝しています。
まとめ:明日から実践できる呼吸法
長くなりましたが、最後にポイントをまとめます。
今日から始められる3ステップ:
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素振りで呼吸のリズムをつかむ 朝の5分間、玄関やリビングで素振り+呼吸の練習。「吸って、吸って、吐く」のリズムを体に覚えさせましょう。
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練習場で音を出す 打ちっぱなしで、インパクトの瞬間に「ハッ」と声を出して打つ。最初は小さい声でOK。50球も打てば、自然に体が覚えます。
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コースでルーティン化 次のラウンドから、プレショットルーティンに深呼吸を組み込む。アドレスに入る前に1回、これだけでも効果があります。
呼吸法は、お金もかからず、今すぐ始められる最高のゴルフ上達法です。僕も最初は半信半疑でしたが、今では「なんでもっと早く取り組まなかったんだろう」と思っています。
次の接待ゴルフや仲間とのラウンドで、「最近、飛距離伸びたね」と言われる日を楽しみにしていてください。
深呼吸して、リラックスして、楽しいゴルフを!





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