ラウンドのグリーン芝の状態によってプレーを変えるのはプロにとってはとてつもなく当たり前のことで「冬の芝は硬くて重い」「春の芝は柔らかい」それぐらいはアマチュアでも想像がつきますが、では、最も速い芝がいつなのかお気づきですか?
基本的には短くカットすればするほどグリーンは速くなります。そこで年間の芝の状態を把握しやすくするために1月から12月の芝の状態とおすすめの攻略方法を紹介します。
グリーンの速さとその計算方法まで紹介しますのでぜひ戦略型ゴルファーの方の参考になれば幸いです。
目次
はじめに.グリーンではどっちが速い?
硬い板の上でゴルフボールを転がすのと柔らかいこんにゃくの上でボールを転がすとしたらどちらが速く転がるか。転がりの速さがはもちろん異なりますが、芝でも同じ原理といえます。答えは硬い板の方が速く転がります。
12ヶ月の季節で変化するグリーン芝の特徴を知って最も速く・遅いのは一体いつなのか理解していきましょう。
1.グリーン芝12ヶ月|おすすめ4つの攻略法
グリーンの芝は12ヶ月を4つに分けて攻略していくのがおすすめです。
- 12月~2月|グリーンが凍る時期
- 3月~6月|2番目に早いグリーン芝
- 7月~9月|最も遅いグリーン芝
- 10月~11月|最も早いグリーン芝
7月から9月のグリーンが最も遅いとは意外では。という人は少なからずいるかもしれません。それぞれの芝の状態と攻略方法を解説していきましょう。
①【12月~2月】グリーンが凍る時期
12月から2月の冬は年間を通して最も気温が下がる時期でグリーンが凍ってしまうことがたびたび起こります。
凍ったグリーンでは番手を下げてショットが◎
凍ったグリーンでは、ショットのファーストバウンドが大きく跳ねてボールがグリーンオーバーしてしまう、またグリーンから転がりすぎて最悪の場合奥のOBまで行ってしまう可能性があるので番手を下げてショットをする、ピンの手前を狙うなどの注意をしなければなりません。
グリーンは氷の上を転がるイメージよりは少し重たいですが、やはり転がるイメージを持ってパットを行うほうがいいでしょう。打ち過ぎにはくれぐれも注意する必要があります。
【戦略】パッティングはかなりの難易度と意識
パンチショットのようなパッテイングを行うとかなりオーバーしてしまう可能性があります。ゆるやかな降り幅を意識してパットを行うことが大きなカップオーバーを防ぐコツです。非常に難しい冬のグリーンです。練習グリーンでタッチをよく確認してラウンドに向かうことが大切なポイントになります。
②【3月~6月】2番目に早いグリーン芝
3月から6月の春は秋の次に早いグリーン芝です。この時期の芝の手入れとしてエアレーションが施されます。
エアレーションとは
エアレーションとは、年間を通して圧縮し固まってしまったグリーンの所々に穴をあけ、芝が充分に根を伸ばすスペースを確保してあげることで、その穴からグリーン芝の根に酸素を送り、芝が綺麗に成長するための手助けをするメンテナンスのことです。
エアレーションをしなければ3つの悪影響を避けることができます。
- 年間のグリーン芝の生育が悪くなる
- グリーン芝が薄くなる
- 最悪枯れる原因
となってしまうので3月中旬から4月下旬にかけてほとんどのゴルフ場でエアレーションを行うのです。
エアレーション作業後、2~3週間後にはグリーン芝の状態がよくなり穴もふさがります。
5月~6月頃になると、ほとんどのゴルフ場でエアレーションの効果が見られグリーン芝が元気になり刈り込み作業もスムーズに行えるようになります。その結果のボールの転がりもよくなります。
【戦略】エアレーション中は転がりが悪くなると予測
ただし気をつけなければいけないのはエアレーションの最中はグリーンに無数の穴があいておりボールの転がりは一時的に悪くなるということです。グリーンをみてエアレーションを行っているなとわかった場合は速さが出ないことを頭に入れてパットを行うことが望ましいです。
3月から6月は秋ほど速くはないけれど春頃もグリーン芝の状態がよく速い傾向にあるということを覚えておきましょう。秋頃と同様に春頃もパットがオーバーする可能性が高いので、パットの降り幅を調節しながらグリーンを攻略しましょう。
③【7月~9月】最も遅いグリーン
7月~9月の夏グリーンは最も遅くなる時期。これはグリーン芝が夏にとても弱い特徴があるからです。
夏に弱い芝がために芝が伸びて遅くなる
夏にグリーン芝を頻繁に刈り込んでしまうとグリーン芝が弱ってしまうため、7月~9月頃はゴルフ場がグリーン芝を刈る頻度を減らしてグリーン芝の状態を保っているのです。グリーン芝をあまり刈り込まないということは芝が伸びているためにボールの転がりが悪いということになります。そのためグリーンが遅いということにつながります。
【戦略】秋に比べると約2フィート遅いと予測
夏のグリーンは秋に比べると2フィート程度低い可能性もあります。遅いという認識を頭に入れ、秋や春よりもタッチを強めにするということが夏のグリーン芝の攻略の鍵になります。夏のグリーンは遅いということを覚えておきましょう。
④【10月~11月】最も速いグリーン芝
グリーンが一番速い時期なのが、10月~11月の秋頃と言われています。なぜなら、秋はグリーン芝の成長がとても早く長く伸びすぎないようにゴルフ場がグリーン芝を頻繁に刈り込み手入れが入ります。
短く刈り込まれ最も早くなる
この時期はグリーン芝にとって過ごしやすく成長しやすい時期のため、頻繁にグリーンを刈り込んでもグリーン芝が痛むことはありません。グリーン芝は短く刈り込む方が速いので、刈り込む頻度が高い秋の10月~11月は結果的に年間を通して一番グリーンが速い時期になります。
【戦略】少し小さいタッチで調節がおすすめ
この時期のグリーンはフックやスライスをよんでもグリーンが速いためにカップをオーバーする傾向が高くなります。10月~11月は季節の中で一番速いという認識を頭の中に入れておき、この時期は普段のパットのタッチを調整して攻略してみましょう。いつもより少し小さなタッチにするということです。この時に決してゆるまないように気をつけることが速いグリーン芝を攻略するポイントです。
2.グリーンの速さとは
1月から12月までのグリーン芝の状態をイメージできたところで、もう一度グリーンの速さとはなんぞや?を解説していきましょう。
グリーンの速さには次項の3つが関係します。
- 芝の刈り方
- 刈り込む高さ
- 芝の硬さ
基本的には短くカットすればするほどグリーンは速くなります。一番短くカットされる10月から11月が最もボールが速く走ると考えられています。
グリーン芝の速さを計測する方法
グリーン芝の状態は速さを測定することで確認できますが、この速さの測定方法は、グリーンの速さを計測する器具「スティンプ・メーター」を使用して計測します。
USGA スティンプメーター
Amazon価格:46200円
グリーンの速さってどうやって測っているか知っていますか?ゴルフ場では、スティンプメーターを使ってます。このスティンプメーターは2012年にUSGA(United States Golf Association:全米ゴルフ協会)が開発した、両面での計測ができるものとなっています。(引用:Amazon)
- スティンプ・メーターの由来
スティンプ・メーターの名前の由来は、E・スティンプソンという方が考案し、その名前をとってつけたものだと言われています。 - スティンプ・メーターは金属レールのような棒(3フィート≒約90cm)に、溝が付けられた簡易的な計測器です。
- 計測方法について簡単にご説明します。
- スティンプ・メーターをグリーン上に置き、溝にボールを置く
- ボールを置いた状態のスティンプ・メーターの端をゆっくり持ち上げる
- 傾斜がついてくるとボールがゆっくりグリーンへ転がり出す
- 転がったボールの距離を計測する
- 計測する向き、方向を変えボールの転がりの平均値を出す
スティンプ・メーターの長さは3フィートと決まっています。例えばボールがスティンプ・メーター3本分転がった場合は、3倍の9フィートと計測できます。グリーンでは「フィート」が速さの名称になります。ぜひ覚えておきましょう。
芝刈り2つの方法
グリーン芝のカットの方法はシングルカットとダブルカットという2つの方法があります。
シングルカット
1回だけ芝を刈ることをシングルカットといいます。1回の芝刈りなので、どうしても刈りこぼしが発生してしまします。
ダブルカットはプロ試合でよく使われる
刈り込みの方向を変えて2回芝を刈ることをダブルカットといいます。ダブルカットは、トーナメントなどプロの試合によく使われに芝です。グリーンの速さを調節しやすくしています。シングルよりよりフラットな芝です。
ダブルカットという方法は芝目をできる限りなくすようカットし、グリーン芝の接地面をより平らに近づけることでボールの転がりをよくする方法です。
ダブルカットで短く刈り込む場合がよりグリーンが速くなるということになります。そしてさらにグリーンの転がりをよくする場合には刈り込んだグリーン芝の上にローラーをかけてグリーンを硬くします。
まとめ
季節ごとに変化するグリーン芝について詳しく解説しました。グリーン芝の状態を知ることは、グリーンを攻略する上でとても重要だということがわかっていただけたのではないでしょうか。パットの際の降り幅を時期によって変えるという攻略は、グリーン芝の状態が年間を通して変化することを知っておかないとできない攻略です。まさに「グリーンイズマネー」です。季節ごとのグリーン芝を攻略しパット数を減らすことで、ぜひ大きなスコアアップを目指しましょう。
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