ウェッジのシャフト選びについて、こんな意見を見かけました。
「アイアンセットと同じシャフトで十分だろう」 「いや、ウェッジのシャフトはアイアンセットよりも重くした方がいい」
一見すると、180度違う意見に思えますよね。では、実際どちらが正解なのでしょうか?これがなかなか難しい問題です。
ゴルフ歴約30年の私も、どちらが自分にとってベストなのか、スコアアップにどうつながるのか、なかなかパッと答えが出ませんでした。そこで、少し時間をかけて色々と試してみて、自分なりに考察してみました。
同じ悩みを抱えている方に、少しでも参考になるヒントをお届けできたら嬉しいです。
目次
1.個人的結論|ウェッジのシャフトは重いほうがいいのか?
ウェッジのシャフトの重さについては、ゴルファーのレベルやプレースタイルによって最適な選択が異なるため、私の結論としては「ゴルファーのレベルによる」ということです。
多くの意見があると思いますが、最終的には自分のスイングやショットの感覚に合ったシャフトの重さを選ぶことが重要だと思います。初心者から上級者まで、それぞれのゴルフスタイルに応じた選択が大切ですので、ひとつの意見として参考にしていただければと思います。
結論①初心者の場合はアイアンセットと同じ重さのシャフトを選ぶべき
初心者やヘッドスピードが速いゴルファーには、ウェッジもアイアンセットと同じシャフトの重さを選ぶことをおすすめします。
その理由は、初心者の場合、スイングリズムやスイングプレーンがまだ安定していないことが多いためです。こうしたゴルファーにとって、ウェッジのシャフトの重さを変えることよりも、アイアンセットと同じシャフトで一貫したスイングバランスを保つことが重要です。ウェッジもアイアンと同じ感覚で振れる方が、スイングが安定しやすく、ミスが減る可能性が高いです。
結論②上級者とヘッドスピードが速い人の場合もアイアンセットと同じ重さ
上級者やヘッドスピードが速いゴルファー(目安として48m/s以上)は、初心者とは異なる理由で、ウェッジもアイアンセットと同じシャフトの重さを選ぶ方が良いと考えます。
上級者はスイングリズムが確立しており、アプローチや中途半端な距離も的確に打ち分けられる実力を持っています。こうしたゴルファーには、ウェッジもアイアンと同じシャフトにすることで、より一貫したフィーリングを得られ、ショットの精度を高めることができると思います。
また、ヘッドスピードが速いゴルファーは、通常、アイアンのシャフトにダイナミックゴールド(DG)のS200やX100など、すでに重いシャフトを使っていることが多く、物理的にウェッジのシャフトをさらに重くすることが難しい場合もあります。そのため、アイアンセットと同じシャフトを選ぶことが自然な選択となります。
画像出典:ダイナミックゴールド
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2.ウェッジのシャフトを少し重めにするのがおすすめな理由
スコア90~100前後で、ヘッドスピードが45m/s以下のアベレージゴルファー(これから上達を目指す人)は、ウェッジのシャフトをアイアンセットよりも少し重めにするのがオススメです。
アイアンセットと比べて、10グラムから15グラム重いシャフトを選んでみてください。
例えば、
- アイアンセットにカーボンシャフトを使用している人には、ウェッジには日本シャフトのNS950やNS980など、軽めのスチールシャフトをオススメします。
- アイアンにNS950GHや軽量スチールシャフトを使っている人には、ウェッジにはNS MODUS3 105や120、ダイナミックゴールドなどの重量系スチールシャフトを選ぶと良いでしょう。
なぜ、少し重いシャフトを選ぶべきか?
このレベルのゴルファーは、ウェッジを使うシチュエーションが多く、特にアプローチショットやピンに近い距離で精度を求められる場面が増えます。重めのシャフトにすることで、スイングが安定し、ショットのコントロールがしやすくなるため、ミスが減りやすくなります。さらに、重めのシャフトはヘッドの感覚をしっかり感じやすく、フェースの芯でボールを捉えやすくなります。
①ウェッジでフルショットをすることはほとんどない
通常、レギュラーティーでプレーする18ホールのラウンド中、AWやSWでフルショットをする回数はどれくらいでしょうか?
私自身を振り返ると、1ラウンドでフルショットをする回数は1回か2回程度です。中級レベルのゴルファーであれば、これくらいが一般的だと思います。
実際、ウェッジはフルショットよりも、グリーン周りのアプローチや、30ヤードから50ヤード程度の中途半端な距離を打つことが多いクラブです。ですので、ウェッジのシャフト選びで重さを少し変えることが、安定感やコントロールに大きく影響します。
②深いラフから打つことも多い
セカンドショットでグリーンオンせず、ラフからアプローチショットを打つ場面も多くありますよね。特にラフが深いと、ボールが沈みやすく、クラブフェースがうまく抜けにくいこともあります。
そんな時に重要なのが、ウェッジのシャフトの重さです。ラフの抵抗に負けず、しっかりとボールを捕らえるためには、ある程度のシャフトの重さが必要です。重いシャフトを使うことで、ラフからでも安定してヘッドをボールに届けやすくなり、ショットのコントロールがしやすくなります。
③ウェッジショットで転がしたり上げたりする技術も要求される
中級レベルのゴルファーは、ウェッジを使って転がしや上げといった、いくつかの異なるショットを打つ必要があります。これらのショットでは、距離感やスイングリズムを調整することが重要です。
アベレージゴルファーは、グリーンオンを意識しすぎて打ち急ぐことが多かったり、距離感が合わずにインパクトで力みすぎてミスをすることがあります。そんな時に、アイアンセットよりも少し重めのシャフトを使うことで、打ち急ぎや距離感の狂いを修正しやすくなります。
ウェッジは元々アイアンよりもヘッドが重く設計されていますが、シャフトを重めにすることで、よりしっかりとした打感を得られます。これにより、中途半端な距離でのミスが減り、ラフや抵抗のある場面でも安定して振り抜けるようになります。
3.プロはウェッジのシャフトをどう選ぶ?
男子プロゴルファーの多くは、アイアンのシャフトとウェッジのシャフトを同じ重さにしている選手が主流です。
その理由として、アイアンに使用しているシャフトよりも重いシャフトが市場にほとんどないことが挙げられます。また、プロはスイングの安定性やシャフトのフィーリングを重視しており、ウェッジもアイアンと同じシャフトで統一することで、スイングの一貫性を保つことができるためです。
興味深いことに、女子プロゴルファーの多くは、ウェッジのシャフトをアイアンセットよりも重めにセッティングしているというデータが出ています。この事実は、男子プロの選択とは逆で、非常に意外な結果と言えるでしょう。
その理由としては、女子プロはより精密なコントロールを重視するため、ウェッジに少し重めのシャフトを選んでいる可能性が高いです。重いシャフトは、より安定したスイングや精度の高いショットをサポートするため、特に短い距離での微調整が求められるウェッジショットには有利に働くのかもしれません。
プロゴルファーが同じシャフトの重さを選ぶ理由として、中途半端な距離でもスイングを緩まずに安定して振れることが重要だと思っています。スイングバランスを考えても、アイアンとウェッジを同じシャフトにする方が、一貫したリズムで振りやすく、ショットの精度も高くなるはずです。
とはいえ、女子プロがウェッジのシャフトをアイアンよりも重く設定していることには驚きました。もしかしたら、女子プロの多くは男性アマチュアと同じくらいのヘッドスピード(HS)を持っている選手が多いので、やはり私が考えるように「少し重めのシャフト」の方がコントロールしやすいという理由があるのかもしれません。
男子プロと女子プロでシャフトの重さに正反対の傾向が見られたのは、非常に意外なデータでした。
まとめ
ウェッジのシャフトの重さについて、サラリーマンゴルファーとして自分なりに考えてみました。ウェッジは、距離感やコントロールが非常に重要なクラブなので、そのシャフトの選び方ひとつでショットの安定感が大きく変わると感じています。
ただ、この問題については、いろいろな意見があると思います。私の考え方も一つの意見に過ぎませんので、ぜひ皆さんにも自分のシャフト選びについて考えてみてほしいです。自分のスイングスタイルや、打つ頻度、コースの状況などに合わせて、最適なシャフトの重さを見つけることが大切だと思います。
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