ゴルフスイングの基本は「グリップ・アドレス・リズム」の3要素です。
いきなり結論からお伝えします。ゴルフスイングで最も重要なのは、正しいグリップ、安定したアドレス、そして一定のリズムです。
正直に言うと、僕も初めてのラウンドで150を叩いて、取引先の部長に「ゴルフって楽しいでしょ?」と苦笑いされた経験があります。あの日から3年、基本を徹底的に見直した結果、今では90台前半で回れるようになりました。
この記事では、練習場で何千球も打ちながら身につけた基本技術を、失敗談も含めて包み隠さず公開します。YouTubeやレッスン本を10冊以上読み漁って分かった「本当に効果のある基本」だけを厳選しました。
1.なぜゴルフスイングの基本が重要なのか
「基本なんて退屈」「早くドライバーで飛ばしたい」——その気持ち、痛いほど分かります。でも、ちょっと待ってください。
ゴルフは基本を無視すると、どれだけ練習しても上達しないスポーツです。むしろ変な癖がついて、後から修正するのに倍以上の時間がかかります。僕自身、最初の1年間は我流で練習して、結果的に2年目に基本から学び直すハメになりました。
基本ができていないと起こる3つの悲劇
1. スライスが止まらない地獄 練習場で何球打っても右に曲がる。本番のラウンドでは林の中から何度も打つことに。同伴者を待たせる罪悪感、ありますよね。
2. 飛距離が伸びない焦り 力任せに振り回しても180ヤードがやっと。隣で軽く振って230ヤード飛ばす上司を見て、ただ悔しい。
3. スコアが安定せず接待で恥をかく 前半50、後半65なんて日があると、「調子どうしたの?」と心配される始末。安定感がないと信頼も得られません。
基本を固めると得られる3つのメリット
逆に、基本さえ身につければゴルフは劇的に変わります。
- 再現性が高まりスコアが安定する(週末ゴルフで毎回同じようなスコアが出せる)
- 力まなくても飛距離が伸びる(効率的なスイングで体への負担も軽減)
- 自信を持ってラウンドできる(接待ゴルフでも堂々とプレーできる)
2. ゴルフスイングの基本①グリップの正しい握り方

スイングの基本は「手」から始まります。グリップが狂っていると、どんなに良いスイングをしても台無しです。
なぜグリップが最重要なのか
グリップはクラブと体をつなぐ唯一の接点です。ここが間違っていると、フェース面のコントロールができず、ボールは思った方向に飛びません。
僕は最初、野球のバットを握る感覚で思いっきり握っていました。結果、手首が硬直してスライスばかり。レッスンプロに「もっと優しく握って」と言われて目から鱗でした。
基本の3つのグリップタイプ

オーバーラッピンググリップ(最もポピュラー) 右手の小指を左手の人差し指と中指の間に乗せる握り方。手の一体感が生まれやすく、初心者から上級者まで幅広く使われています。僕もこれを採用しています。

インターロッキンググリップ 右手の小指と左手の人差し指を絡める握り方。タイガー・ウッズや松山英樹プロが使用。手が小さい人や握力が弱い人におすすめです。
ベースボールグリップ(テンフィンガー) 10本の指全てでグリップを握る方法。力が入りやすい反面、コントロールが難しくなるため中級者以降は使わない人が多いです。
正しいグリップの作り方(ステップバイステップ)

ステップ1:左手の握り方
- クラブを地面に置き、左手をダラリと垂らす
- 左手の指の付け根(第二関節付近)にグリップを斜めに当てる
- 指で握り込むと、親指と人差し指でできる「V字」が右肩を指す
ステップ2:右手の握り方
- 右手も同じように指の付け根で握る
- 右手の親指と人差し指の「V字」も右肩を指すように
- 右手の生命線が左手の親指を覆うイメージ
ステップ3:握る強さ 「小鳥を握るように」とよく言われますが、僕は「ハンバーガーを潰さない程度」と教わりました。力加減は10段階中4〜5程度。グリッププレッシャーが強すぎると手首が硬くなり、飛距離も方向性も悪化します。
よくあるグリップの間違い
- ストロンググリップ(左手が右に回りすぎ):フックが出やすくなる
- ウィークグリップ(左手が左に回りすぎ):スライスが出やすくなる
- パームグリップ(手のひらで握る):手首が使えず飛距離ダウン
3.ゴルフスイングの基本②アドレス(構え方)の正しい姿勢

グリップができたら、次はアドレスです。構えた時点でスイングの8割が決まると言われるほど重要な要素です。
アドレスで意識すべき5つのポイント

ゴルフ練習場でよく見かけるのが、猫背でボールを覗き込むような構え。これ、昔の僕です。背中が丸まっていると体の回転がスムーズにできず、手打ちになります。
1. スタンス幅は肩幅程度 ドライバーなら肩幅より少し広め、アイアンなら肩幅か少し狭め。広すぎると体重移動がしにくく、狭すぎると安定感がなくなります。
2. 膝を軽く曲げる 棒立ちではなく、軽く膝に余裕を持たせます。「いつでもジャンプできる姿勢」が理想です。
3. 股関節から前傾する 背筋を伸ばしたまま、股関節から体を折り曲げます。腰から曲げるのではなく、お尻を後ろに突き出すイメージ。僕は「お辞儀するように」と教わりました。
4. 腕は自然に垂らす 力を抜いて、腕を自然に垂らします。手の位置は体の正面よりやや左側(右打ちの場合)。
5. 体重配分は5:5から6:4 両足に均等、もしくはやや右足寄りに体重を乗せます。左足に体重が乗りすぎると、バックスイングで体が流れます。
ボールとの距離感の掴み方

「ボールとどれくらい離れて立てばいいの?」これ、初心者が必ず悩むポイントです。
目安としては、クラブを垂直に立てて、グリップエンドと股関節の間に拳1〜2個分の隙間があるくらい。近すぎると窮屈になり、遠すぎるとバランスを崩します。
僕の失敗談ですが、最初はボールに近すぎて構えていました。結果、ダウンスイングで体が起き上がってトップばかり。レッスンで修正してもらい、「え、こんなに離れていいの?」と驚いた記憶があります。
アライメント(目標設定)の基本
せっかく良いスイングをしても、構えた方向が間違っていたら意味がありません。
1. まずボールの後ろに立つ ターゲットとボールを結ぶ飛球線を確認します。
2. スパットを見つける ボールの30cm〜1m先に目印(枯れ葉、ディボット跡など)を見つけます。
3. スパットに対してスクエアに構える 足、膝、腰、肩のラインがすべて飛球線と平行になるように。鏡やスマホで撮影してチェックするのがおすすめです。
4.ゴルフスイングの基本③テークバック(バックスイング)の始動

「最初の30cmがスイングを決める」——これ、ベン・ホーガンという伝説的プロゴルファーの言葉です。
テークバックで絶対に守るべき3原則
テークバックは、スイングの土台作りです。ここでリズムが崩れると、後は崩壊します。
原則1:手だけで上げない 腕の力だけでクラブを上げると、軌道がズレてインサイドに引きすぎたり、アウトサイドに上がったりします。
原則2:体幹で始動する 左肩を顎の下に入れるイメージで、体全体を使ってクラブを上げます。僕は「左肩でボールを押す」という感覚を意識しています。
原則3:ゆっくり始める いきなりビュンッと速く上げると、リズムが崩れます。「イーチ」と頭の中でカウントしながら、ゆったりとした始動を心がけましょう。
正しいテークバックの手順
ステップ1:ワンピーステークバック クラブ、手、腕、肩が一体となって動き出します。最初の30cmは地面と平行に動くイメージ。
ステップ2:手首のコック クラブが腰の高さに来たあたりで、自然に手首がコック(親指側に折れる)します。無理に作らなくてOK。
ステップ3:トップポジション 左腕が地面と平行になり、シャフトが地面と平行になる位置が理想。僕は最初、バックスイングを取りすぎてオーバースイングになっていました。体が硬い人は無理せず、肩が90度回れば十分です。
トップでのチェックポイント
- 左腕は伸びているか(曲がりすぎはNG)
- 右肘は地面を向いているか
- 体重は右足に7割移動しているか
- 頭の位置は動いていないか
鏡の前で素振りをして、トップの形をスマホで撮影するのが一番効果的です。僕は毎週末、練習場で動画を撮ってチェックしています。
5.ゴルフスイングの基本④ダウンスイングとインパクト

ここからが本番です。どんなに完璧なテークバックができても、ダウンスイングで崩れたら意味がありません。
ダウンスイングは「下半身リード」が鉄則
トップから切り返す瞬間、多くの初心者が手で打ちにいきます。僕も例外ではありませんでした。
「飛ばそう!」と思うと、つい腕に力が入ります。でも、ゴルフスイングは下半身から動かすのが正解。左腰を回転させることで、自然とクラブが下りてきます。
正しいダウンスイングの始動方法
1. 左足の踏み込みから始める トップで一瞬の「間」を作り、左足を踏み込みます。この時、まだ腕は動かしません。
2. 左腰を回転させる 左腰を飛球線方向に回転させます。「腰でドアを開ける」イメージです。
3. 腕とクラブは自然についてくる 下半身の回転に引っ張られて、腕とクラブが自動的に下りてきます。これが「タメ」です。
僕がこれを理解するのに半年かかりました。レッスンプロに「我慢、我慢」と何度も言われて、ようやく腑に落ちました。
インパクトで意識すべきこと
インパクトはアドレスの再現ではない よく「インパクトはアドレスの形に戻す」と言われますが、厳密には違います。
- 腰は開いている(45度程度)
- 体重は左足に8割移動
- 左腕は伸びたまま
- 右手は左手を追い越さない
「当てにいく」のは絶対NG これ、初心者が100%やってしまうミスです。ボールに当てようとして、インパクト直前に減速したり、手首をこねたりします。
僕は接待ゴルフで「絶対にミスできない」というプレッシャーから、当てにいって大ダフリ。3メートル先にボールがポトリ。あの時の気まずさは今でも忘れられません。
通過点としてのインパクト ボールはスイング軌道上の通過点に過ぎません。ボールの先を振り抜くイメージで、フォロースルーまで一気に振り切ります。
6.ゴルフスイングの基本⑤フォロースルーとフィニッシュ

「打った後なんてどうでもいいでしょ」と思うかもしれませんが、フォロースルーとフィニッシュはスイングの結果を表します。
美しいフィニッシュは良いスイングの証
テレビでプロゴルファーのスイングを見ると、みんな綺麗にフィニッシュが決まっていますよね。あれは見栄えのためではなく、正しいスイングをした結果です。
フォロースルーのチェックポイント
1. 両腕が伸びている インパクト後、両腕が飛球線方向に伸びていきます。右腕が左腕を追い越し、クラブが体に巻き付くように上がっていきます。
2. 体重が完全に左足に移動 フィニッシュでは体重の9割以上が左足に乗っています。右足はつま先立ちの状態。
3. ベルトのバックルが目標を向く 体がしっかり回転している証拠です。僕は最初、体が開かずに右を向いたままフィニッシュしていました。飛距離が出ないはずです。
理想的なフィニッシュの形
- クラブが背中に巻き付く
- 右肩が目標を向いている
- 両足でバランスよく立てる(3秒キープできるか)
- 視線はボールの行方を追っている
練習場で「フィニッシュまでバランスを崩さない」を意識するだけで、スイング全体が安定します。僕は毎回、フィニッシュで「1、2、3」とカウントするようにしています。
7.ゴルフスイングの基本⑥リズムとテンポの重要性

技術論ばかり語ってきましたが、実は最も大事なのが「リズム」です。
プロと初心者の最大の違いは「テンポの安定性」
僕が一番驚いたのは、レッスンプロのスイングテンポが毎回同じだったことです。ドライバーもアイアンも、同じリズムで振っています。
一方、僕は調子が良い日と悪い日でスイングスピードがバラバラでした。急いでいる時は速く振り、慎重になると遅くなる。これでは再現性がありません。
自分のテンポを見つける3つの方法
方法1:メトロノームを使う 最近のゴルフアプリには、メトロノーム機能があります。バックスイング1秒、ダウンスイング0.3秒など、リズムを体に染み込ませます。
方法2:「イチ、ニ、サン」と声に出す
- 「イチ」でテークバック
- 「ニ」でトップ
- 「サン」でフィニッシュ
声に出すのが恥ずかしければ、頭の中でカウントするだけでもOK。
方法3:好きな曲のリズムに合わせる 僕は「YMCA」のリズムで振っています(笑)。ワイ・エム・シー・エーの「エー」でインパクト。馬鹿馬鹿しいですが、効果抜群です。
プレッシャーがかかった時こそテンポを守る
接待ゴルフの1番ホール、ティーショット。全員が見ている中でのドライバー。緊張しますよね。
こんな時、僕は必ず「ゆっくり、ゆっくり」と自分に言い聞かせます。早く振りたい衝動を抑えて、いつものテンポを守る。これができるかどうかで、スコアが10打変わります。
8.ゴルフスイングの基本⑦練習方法と上達のコツ

理論を学んだら、次は実践です。でも、ただ打ちっぱなしに行って100球打てば上手くなるわけではありません。
効果的な練習方法5選
1. ハーフスイング練習(最重要) いきなりフルスイングは禁物。腰から腰の高さまでの小さなスイングで、基本を体に染み込ませます。
僕は最初の1ヶ月、練習場で100球全てハーフスイングしました。周りから「何やってんの?」という視線を感じましたが、これが上達の近道でした。
2. 片手打ち練習 左手だけ、右手だけで打つ練習。左手は方向性、右手はパワーを感じられます。9番アイアンやピッチングウェッジでやるのがおすすめ。
3. スロースイング 通常の半分のスピードでスイング。体の動きを意識できます。僕はこれで「手打ち」の癖を直しました。
4. 連続素振り ボールを打たずに、10回連続で素振り。フィニッシュまでバランスを崩さないことを目標に。体力もつきます。
5. スマホで動画撮影 これが一番効果的かもしれません。自分のスイングを客観視できます。「え、こんな風に振ってたの?」という発見が必ずあります。
練習場での効率的な時間の使い方
100球打つなら、こんな配分がおすすめです:
- ウォーミングアップ(ハーフスイング):20球
- アイアン練習(7〜9番):30球
- ドライバー練習:20球
- アプローチ、バンカー:20球
- 本番想定ショット:10球
最後の10球は、コースをイメージして打ちます。「ティーショット」「セカンドショット」と頭の中で実況しながら。これ、本番での緊張感に慣れる練習になります。
上達を加速させる3つの習慣
習慣1:毎日10分の素振り クラブがなくても、タオルを振るだけでOK。毎日継続することで、体がスイングを覚えます。
習慣2:ゴルフYouTubeを見る 食事中や移動中に、プロのスイング動画を見ます。僕のおすすめは、三觜喜一プロや中井学プロのレッスン動画。理論が分かりやすいです。
習慣3:ラウンド後の振り返り スコアカードに、良かったショット、悪かったショット、次回の課題を書き込みます。僕はEvernoteに記録していて、後で見返すと成長が実感できます。
9.初心者がやりがちな5つのミスと対策

最後に、僕が実際に経験した失敗と、その対策をお伝えします。
ミス1:力みすぎて飛ばない
症状: 全力で振っているのに180ヤードしか飛ばない 原因: 力むと筋肉が硬直し、ヘッドスピードが落ちる 対策: グリップは軽く、「7割の力で振る」を意識する
僕の失敗談ですが、初めての接待ゴルフで、取引先の社長の前で「ここぞ!」と力んだドライバー。結果、チョロで20ヤード。笑いをこらえる同伴者の顔が忘れられません。
ミス2:ボールを見すぎて頭が動く
症状: トップやダフリが頻発する 原因: インパクトでボールを見ようとして頭が動く 対策: ボールの後ろ側を見る。インパクトの瞬間は感覚で捉える
「ボールをよく見ろ」とよく言われますが、見すぎるのも問題。頭を残す意識で、フィニッシュまで下を向いたままでもOKです。
ミス3:手打ちになっている
症状: 方向性が定まらず、飛距離も出ない 原因: 体の回転を使わず、腕だけで振っている 対策: 腕は体に巻き付ける意識。下半身リードを徹底する
僕は最初の1年間、完全に手打ちでした。レッスンで「腕は使うな」と言われ続けて、ようやく理解できました。
ミス4:バックスイングが早すぎる
症状: タイミングが取れず、ミスショットが増える 原因: 早く打ちたい焦りから、急いでクラブを上げる 対策: 「ゆっくり」と声に出して、テークバックを意識する
特に、後ろの組に追いつかれた時。焦って早く打とうとすると、必ずミスします。深呼吸して、いつものテンポを守りましょう。
ミス5:フィニッシュでバランスを崩す
症状: よろけたり、後ろに下がったりする 原因: 体重移動ができていない、または振りすぎ 対策: フィニッシュで3秒静止する練習を繰り返す
バランスを崩すということは、スイングのどこかに問題があります。フィニッシュが決まれば、スイング全体が改善されます。
まとめ:ゴルフスイングの基本は一生の財産
長文になりましたが、ここまで読んでくれてありがとうございます。
ゴルフスイングの基本は、一度身につければ一生使えるスキルです。僕は今でも、調子が悪くなると基本に立ち返ります。グリップを確認し、アドレスを見直し、ゆっくりしたテンポで振る。これだけで不思議と調子が戻ります。
今日から実践できる3つのアクション:
- グリップを見直す(鏡の前で「V字」をチェック)
- ハーフスイング10回(家でもできる素振り)
- スマホで自撮り(客観的に自分のスイングを確認)
ゴルフは一生楽しめるスポーツです。60代、70代になっても楽しめる趣味だからこそ、今のうちに正しい基本を身につけておく価値があります。
次の週末、練習場で、あるいは本番のラウンドで、この記事の内容を1つでも試してみてください。必ず変化を感じられるはずです。
それでは、良いゴルフライフを!





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