2019年ルール改正でプレーファーストがより重視されるようになりました。
先に結論をお伝えします。2019年1月1日に実施された大幅なルール改正により、ゴルフ全体でプレーのペースアップを重視する流れが強まりました。マーカーに関する基本ルールそのものは大きく変わっていませんが、「速やかに」行動することがこれまで以上に求められています。
この記事では、接待ゴルフで恥をかかないための実践的な知識から、意外と知られていない細かいルールまで、すべて網羅してお伝えします。
1.ゴルフマーカーって何?基本の「き」から理解する

ゴルフマーカーとは、グリーン上でボールの位置を示すために使用する目印のことです。他のプレーヤーのパッティングラインを妨げないよう、一時的にボールを拾い上げる際に使用します。
マーカーとして認められるものの定義
日本ゴルフ協会(JGA)の規則によれば、マーカーはボールの位置を正確にマークできるものであれば基本的にOKです。
公式ルールで認められているもの:
- 専用のボールマーカー
- コイン(硬貨)
- ティーペグ
- 小さな平らな物体
実は僕、初めての接待ゴルフで専用マーカーを忘れてしまい、財布から10円玉を取り出して使ったことがあります。先輩から「それで全く問題ないよ」と言われてホッとしましたが、できれば専用のものを用意しておくのがスマートですね。
マーカーのサイズや形状に決まりはある?
実はサイズや形状に明確な制限はありません。ただし、あまりに大きすぎるものや、他のプレーヤーの気を散らすようなものは避けるべきです。
一般的には直径2〜3cm程度のコイン型が主流。重さがあって風で飛ばされにくく、かつパッティングラインに影響を与えない薄さが理想的です。
2.2019年ルール改正のポイント:何が変わった?

2019年1月1日、ゴルフ規則は約40年ぶりの大改正が行われました。マーカーに関する直接的な変更は少ないものの、プレーのスピードアップを重視する姿勢が明確になりました。
プレーファーストの徹底:40秒ルールの導入
改正後、各ショットは推奨40秒以内に行うことが推奨されるようになりました。マーカーを置く際も、手際よく行うことが期待されます。
具体的には:
- 自分の番が来る前に準備を整えておく
- マーカーを置いてからボールを拾うまでスムーズに
- 必要以上にグリーン上で時間をかけない
距離測定器の使用解禁(ローカルルール)
これはマーカーとは直接関係ありませんが、2019年改正で距離測定器の使用がローカルルールで認められるようになりました。プレーのペースアップを目的とした改正の一環です。
マーカーにボールが当たった場合の扱い変更
2019年改正の重要なポイントとして、グリーン上で自分のボールが自分のマーカーに当たった場合、無罰となりました(改正前は1打罰)。これもプレーをシンプルにして速度を上げるための変更です。
2023年の小規模改正について
補足として、2023年1月にも小規模な改正が実施されました。マーカーに直接関係する変更はありませんが、ドロップ後に自然の力で動いた球の処置など、細かい調整が行われています。
3.ゴルフマーカーの正しい置き方【完全マスター】

ここが一番重要なポイントです。間違った置き方をすると、ペナルティの対象になったり、マナー違反と見なされたりします。
基本の置き方:ボールの直後またはすぐ近くに
ルール上の正しい置き方は、ボールの直後(カップと反対側)またはすぐ近くにマーカーを置くことです。
手順:
- ボールの直後(カップと反対側)にマーカーを置く
- マーカーはボールにぴったりとくっつけて置く
- ボールを拾い上げる
- 必要に応じてボールを拭く
「すぐ近く」の目安は約2インチ(約5cm)以内とされています。これは元の位置に正確に戻せることが重要だからです。
よくある間違いが、ボールの真横や手前に置いてしまうこと。これは厳密にはルール違反ではありませんが、元の位置に正確に戻せなくなる可能性があるため避けるべきです。
マーカーの向きは関係ある?
方向性のあるマーカー(矢印付きなど)を使う場合、マーカー自体の向きに規定はありません。ただし、パッティングラインを確認するための目印として使うゴルファーもいるので、自分なりのルーティンを作るのもアリです。
他のプレーヤーのラインにかかる場合の対処法
これ、意外と困りますよね。同伴者のパッティングラインにマーカーがかかってしまう場合は、パターヘッドを使って左右にずらすことができます。
正しい手順:
- マーカーの横にパターヘッドを置く
- パターヘッドの反対側にマーカーを移動
- 自分の番が来たら、同じ手順で元の位置に戻す
以前、このルールを知らずにいたら接待相手の専務から「マーカー、ちょっとずらしてもらえる?」と言われて焦った経験があります。その場で教えてもらいましたが、事前に知っておくべき基本中の基本でした。
4.ボールを元に戻すときの注意点

マーカーを置いたら、今度は元に戻す作業が必要です。ここにも実は細かいルールがあります。
正確に元の位置に戻さないとペナルティ
ボールは必ずマーカーの真前(カップ側)に置きます。マーカーを置いた時と逆の手順ですね。
もしボールを元の位置より明らかに有利な場所(カップに近い位置など)に置いた場合、1打罰のペナルティとなります。
マーカーを取り忘れたらどうなる?
実はこれ、僕もやってしまったことがあります。パットした後、マーカーを取り忘れてそのまま次のホールへ…。
結論から言うと、マーカーを取り忘れてもペナルティはありません。さらに、2019年の改正により、次のストロークで自分のボールが自分のマーカーに当たってしまった場合も無罰となりました。
ただし、気づいた時点で速やかに取りに戻るのがマナーですし、紛失のリスクもあるので注意が必要です。
5.知っておくべきマーカーのマナーとエチケット

ルールだけでなく、マナーも大切です。特に接待ゴルフや目上の方とのラウンドでは、これらを知っているかどうかで印象が大きく変わります。
グリーンに上がる前に準備しておく
グリーンに到着してから「あれ、マーカーどこだっけ?」とポケットやバッグを探し回るのはNG。グリーンに上がる前に手元に準備しておきましょう。
僕は帽子のクリップに常時マーカーを付けています。これなら絶対に忘れませんし、すぐに使えて便利です。
他のプレーヤーのライン上を踏まない
これは基本中の基本ですが、他のプレーヤーのパッティングラインは絶対に踏んではいけません。マーカーを置く際も、他の人のラインに配慮して動きましょう。
マーカーは音を立てずに置く
グリーン上では静かに。マーカーを置くときも、カチャンと音を立てないよう丁寧に置きます。細かいことですが、こういう配慮が「この人とまたゴルフしたい」と思わせるポイントです。
6.こんな場合はどうする?状況別Q&A
実際のラウンドでは、想定外のケースに遭遇することもあります。よくある疑問をまとめました。
Q1. マーカーにボールが当たったらどうなる?
自分のボールが自分のマーカーに当たった場合、2019年のルール改正により無罰となりました。ボールは止まった場所からプレーすることになります。改正前は1打罰だったので、これはプレーヤーにとって大きな改善です。
Q2. マーカーが風で動いたら?
自然の力(風など)でマーカーが動いた場合、元の位置に戻すことができます。ペナルティはありません。
Q3. グリーン外でマーキングしてもいい?
基本的にはグリーン上でのみマーキングが認められています。ただし、グリーン周りのカラーやエプロンなど、グリーンと同じ扱いになる場所では使用可能です。
Q4. 他人のマーカーを動かしてしまったら?
同伴者が誤ってあなたのマーカーを動かしてしまった場合、無罰で元の位置に戻します。ただし、意図的に動かした場合は別のルールが適用されるので注意が必要です。
Q5. マーカーを複数持っておく必要はある?
絶対に必要というわけではありませんが、予備を1〜2個持っておくことをおすすめします。紛失のリスクもありますし、汚れや破損の可能性もあるからです。
7.プロが選ぶおすすめゴルフマーカー5選
機能性とデザイン性を兼ね備えた、実際に使えるマーカーを厳選してご紹介します。
1. タイトリスト ボールマーカー
価格:1500円 Amazonで見る
言わずと知れた定番中の定番。シンプルなデザインで、どんなシーンでも使えます。重さがあって安定感抜群で、風に飛ばされる心配もありません。
2. キャロウェイ マグネット式マーカー
価格:約1,200円 Amazonで見る
帽子のクリップに磁石で固定できるタイプ。落とす心配がなく、グリーン上でサッと取り出せるのが便利です。デザインも豊富で、自分好みのものが見つかります。
3. スコッティキャメロン ボールマーカー
価格:約2,000円〜
高級感のあるデザインで、接待ゴルフにもピッタリ。パター好きなら一つは持っておきたいアイテムです。コレクター心をくすぐるデザインの豊富さも魅力。
4. ダンロップ SRIXON マーカー
価格:約600円 Amazonで見る
コストパフォーマンス抜群の日本ブランド。シンプルで使いやすく、初心者にもおすすめです。複数個セットで購入すれば、さらにお得になります。
5. オリジナル刻印マーカー
価格:約1,500円〜
名前やイニシャルを刻印できるオーダーメイドタイプ。自分へのご褒美や、ゴルフ仲間へのプレゼントにも最適です。唯一無二の特別感があります。
8.マーカー選びで失敗しないためのポイント

実際に購入する際、どんな点に注目すればいいのでしょうか。
重さと安定性
軽すぎるマーカーは風で飛ばされやすいので、ある程度の重量感があるものを選びましょう。10円玉くらいの重さが目安です。
視認性の高さ
グリーン上で見つけやすい色や形を選ぶことも大切。芝の色と同化してしまう緑色は避けた方が無難です。シルバー、ゴールド、赤などがおすすめ。
クリップやケースの有無
持ち運びやすさも重要な要素です。帽子やポケットに固定できるクリップ付き、または専用ケース付きのものが便利です。
耐久性
使用頻度が高いアイテムなので、錆びにくい素材や傷つきにくい加工がされているものを選びましょう。ステンレス製や真鍮製がおすすめです。
まとめ:マーカーのルールを知ってスマートなゴルファーに
ゴルフマーカーは小さなアイテムですが、正しい知識とマナーを身につけることで、あなたのゴルフライフはより豊かになります。
改めて重要ポイントをおさらいすると:
- ボールの直後(カップと反対側)に置く
- 正確に元の位置に戻す
- プレーファーストを心がける(推奨40秒以内)
- 他のプレーヤーへの配慮を忘れない
2019年の大改正以降、プレーのスピードアップがより重視されるようになっています。マーカーの扱いも含めて、テキパキとスムーズなプレーを心がけましょう。2023年にも小規模な改正がありましたが、マーカーに関する基本は変わっていません。
接待ゴルフでも、仲間とのラウンドでも、家族との楽しいゴルフでも、正しいマーカーの使い方を知っていれば自信を持ってプレーできます。次のラウンドから、ぜひ実践してみてください。
素晴らしいゴルフライフを!





コメント