雨のラウンドは、多くのプレーヤーにとって「仕方なくプレーするもの」という位置づけだろう。だが、コースやコンディションの変化に応じてアジャストできるかどうかで、スコアに差が出るのが事実。特に中上級者は、単に雨に耐えるだけでなく、スコアメイクのチャンスと捉えるべきだ。
この記事では、「雨の日のゴルフ」で結果を出すための視点と技術を整理する。玄人向けのリアルな内容を心がけた。
目次
1.コースマネジメントは「避ける」視点から組み立てる
雨天時は芝が水を含むことでフェアウェイでもランがほぼ期待できない。加えて、グリーンは柔らかく止まりやすくなるが、スピン量や高さが足りないと予想以上に転がらない。つまり、普段どおりの距離感ではズレが出る。
雨の日に求められるのは「攻め」よりも「リスクを回避する」設計力だ。
- 無理な2オンやロングキャリーは避け、手堅いマネジメントを意識する
- フェアウェイバンカーや池、ラフの水溜まりはスコアを一気に崩すリスクになる
- 「安全なルート」を最優先に、クラブ選択・落とし所を慎重に決める
中上級者であっても、リスクの引き算ができないと雨の日のスコアは安定しない。
2.グリップのケアは準備段階から勝負が決まる
滑るグリップは、ラウンド中に最もストレスを感じやすい要素の一つ。プレースキルにかかわらず、滑った瞬間にスイングの再現性が崩れる。
- 雨天用グローブは必須。複数枚をラウンドごとにローテーション
- グリップが濡れたら迷わずタオルで拭く。ウェット感が残った状態では打たない
- グリップ自体の交換時期にも注目。古いグリップは吸水しやすく滑りやすい
特に「少し滑るけど大丈夫」と判断してしまう玄人こそ、意識して見直すべきポイントだ。
3.距離感より“感覚の維持”を優先するショートゲーム戦略
雨のグリーンではボールが想像以上に止まる。転がらないのではなく、「止まる」。スピンで止めるというより、打ち出し角とキャリーのコントロールが重要になる。
- ピッチショットは無理にスピンをかけず、フェースを開きすぎない
- 軟らかいグリーンに刺さりすぎないよう、ウェッジのバウンスを使う意識を持つ
- パッティングは打ち急がない。重さにビビってパンチが入るとラインも狂う
晴れの日と同じ距離感にこだわるのではなく、「その日の感覚」を丁寧に拾っていくことが中上級者の仕事だ。
4.ウェアとギアは“快適さ”より“プレーへの影響”で選ぶ
雨天時にプレーする場合、ウェアの選び方がスイングの自由度に直結する。高価なレインウェアでも、スイング時に肩や肘が突っ張るなら意味がない。
- スイング時の可動域を最優先に、軽量でストレッチの効いたモデルを選ぶ
- ゴルフ専用のキャディバッグ用レインカバーは、クラブ保護だけでなく心の余裕も生む
- 替えの帽子とタオルを2セット以上持っておくと後半の集中力が保ちやすい
装備に投資するのは、見栄のためではなく、プレーの質を守るため。雨のラウンドではその価値がより顕著に表れる。
まとめ
中上級者が雨の日に結果を出すには、「多少の不運や不快は当然」と割り切る冷静さが求められる。コースの変化、体の反応、心理的なブレ——これらすべてに準備で差がつく。
単に「雨だったから仕方ない」と流すのではなく、「雨でもやれることをやったか?」と自問できるかどうか。
それが、本当の意味での経験値を積むラウンドとなる。
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