テーラーメイドMシリーズを徹底解説

テーラーメイドのSIMシリーズが気になっていますがその前のシリーズで大人気だったのがMシリーズ。2015年〜2019年の4年間９シリーズも発売してどれもツアー使用率が高いクラブでした。

SIMシリーズが欲しいけどMシリーズについて予備知識になるかなとおもいざっとおさらいをしようと特徴、どういった経緯で作られたか、評判がどうだったのかをまとめてみました。

2019年に発売されたM5、M6を最後に終了してしまいましたが、今もなお人気があるのは確かです。現役で使っているプレーヤーもたくさんいます。テーラーメイドのクラブ購入を検討している方の参考になれば幸いです。

1.テーラーメイドMシリーズの歴史｜まとめ

テーラーメイドのMシリーズは2015年〜2019年まで9シリーズをリリースしました。『M』の意味は「複数の素材＝Multi Material」の頭文字からとったものです。当初はもともと人気だったR15の後継者として登場しその人気は４年間続きました。

歴代Mシリーズまとめ

2015年M1(ドライバー/フェアウェイウッド/レスキュー)
2016年M2(ドライバー/フェアウェイウッド/レスキュー/アイアン)
2017年2代目M1（ドライバー/フェアウェイウッド/レスキュー/アイアン）
2017年2代目M2(ドライバー/フェアウェイウッド/レスキュー/アイアン)
2018年M3(ドライバー/フェアウェイウッド/レスキュー/アイアン)
2018年M4(ドライバー/フェアウェイウッド/レスキュー/アイアン)
2018年MGLOIRE(ドライバー/アイアン/ウェメンズドライバー/ウェメンズアイアン)
2019年M5（ドライバー/フェアウェイウッド/アイアン）
2019年M6(ドライバー/フェアウェイウッド/レスキュー/アイアン)

毎年モデルチェンジをしてきたMシリーズひとつひとつの特徴をまとめて解説していきます。

2.一番初めに発売されたM1の特徴

Mシリーズの先駆者として2015年にM1は発売されました。(ドライバー/フェアウェイウッド/レスキュー)最大の特徴はこれまでのR15ドライバーより改良された3つの点でした。

Tailor-made M series

M1公式報道資料pdf←発売当初の資料をみることができます。

R15ドライバーより改良された3つの機能が特徴

ヘッドの軽量化を可能にした
弾道を調整できるようになった
マイルドな打感と打音になった

これら3つの機能がどんなものかさらに次項でかなりこまかく解説していきます。このM1がMシリーズの土台です。

【ヘッドの軽量化】初速がアップ

M1のクラウンには7層からなる複合素材の「グラファイト・コンポジット・クラウン」を採用し、ヘッドを軽量化させました。フェースセンター方向へ重心を移動したことで低重心化しボールの初速がアップ。

【弾道】細かな曲がりの修正

Tトラック・システムは、15gのウエイトは、位置を左右変更して曲がり幅（ドロー/フェード）の調整をし、10gのウエイトは、位置を上下変更してバックスピンの量を調整します。

この細かな調整で、曲がりの修正が可能になり自分の調子やコースに合わせてクラブの状態を変更できるようになりました。

【打感】マイルドな打感

緻密に配置された18本のリブでマイルドな打感と打音になりました。

初代M1はヘッド体積別に430と460のタイプがあります。M1 460 ドライバーは、ジェイソン・デイが使用し、2015年のBMW選手権で優勝を勝ち取りました。

体積別に430と460の特徴を紹介します。

M1 460の特徴

460は安定性があることから多くのトッププロもトーナメントで使用していました。

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ヘッド体積が460㏄となっているのでフェース面積が広くボールを捉えやすくなっています。ミスに対しても寛容性があり直進性が高いです。

M1 430の特徴

ヘッド体積が430ccで重心距離が短いためミスには厳しいクラブですが、操作性にはついては優れています。使いこなすことができれば、心強いクラブとなります。

現在、初代M１シリーズを購入しようとすると中古品で購入になります。

初代M1はツアーを戦い抜くことができるクラブ設計となっているので、プロや中上級者向けのクラブとなっています。そこで、アベレージゴルファーにも受け入れやすい設計がされた初代M2が誕生します。

3.M2の特徴

初代M2は、2016年に発売されました。(ドライバー/フェアウェイウッド/レスキュー/アイアン)特徴は高い飛距離性能と寛容性の性能をアップさせた点でした。

Taylormade M series

M2公式報道資料pdf←発売当初の資料をみることができます。

M1より改良された2つの機能が特徴

軽量化を可能にし初速アップさせた流線型クラウン
M2専用スピードポケット＆ICTにより慣性モーメントの向上

【軽量化】グラファイト・コンポジット＆流線型クラウン

M2では、M1と同様にグラファイト・コンポジットにより軽量しましたが、余剰重量はヘッドの低い位置に配置しました。これにより低重心となり、飛距離性能と安定性が向上しました。流線型クラウンは空気抵抗を軽減し、ヘッドスピードと初速をアップさせました。

【慣性】M2専用スピードポケット＆ICT

M2専用スピードポケットを搭載することにより、フェース下部の柔軟性が高まり、さらに逆円錐形フェースのICT（インバーテッド・コーン・テクノロジー）を採用し、高反発エリアが拡大しました。

これらの機能を搭載したM2はスイートエリアが広く、ミスにも強い、直進性と飛距離性能の高いドライバーとなりました。M1でトッププロからの信頼を得たMシリーズの名は広まり、M2ではその寛容性と飛距離性能が認められ、アベレージゴルファーからも高い支持を得ることができました。

しかしMシリーズはこれに満足することなく、更なる進化をします。

4.2代目M1の特徴

2017年、初代M1が改良され2代目M1が発売されました。（ドライバー/フェアウェイウッド/レスキュー/アイアン）新たにアイアンも組み入れ、トータルにゴルフプレーをサポートするようになります。M1 430は体積を10cc増やし、M1 440として再出発となりました。

Taylormade M series

2代目M1公式報道資料pdf←発売当初の資料をみることができます。

「すべてが、思い通り」のコンセプトにより幅広い弾道調整と飛距離性能が向上しました。

2代目M1の３つの特徴

ソール面トゥ側の改善し飛距離性能を向上
調整範囲拡大
インパクトしやすいイメージ向上

【ソール面トゥ側の改善】

新しいM1では、クラウン部分に使用されたグラファイト・コンポジットが6層構造となり、ソール面トゥ側にも採用され、チタン素材も変更し、重量を減らすことができました。これにより得た余剰重量をソール後方部などへ配置し低重心化することができ、飛距離性能を向上させました。

【調節範囲拡大】Tトラック・システムの調整範囲拡大

バック・トラック・ウエイトを、M1 460では10gから12g、M440（前M1 430）は15gに増やし、トラックの全長を伸ばし、細やかな重心設定を行うことができるようになりました。

【イメージ向上】クラウンデザインの刷新によるイメージ向上

前回よりも白の塗装部分を減らし、インパクト時のイメージがしやすく、安心して構えることができます。

2代目M1はボールコントロールをしたいトッププロやアスリート系ゴルファーに合わせた形がより明確となっています。

2017年にはM1と同時にM2も改良されました。

6.2代目M2の特徴

2017年2代目M2は、「すべてが、パワフル」をコンセプトとし、新たに2つの性能を追加して飛距離性能と寛容性をさらに向上させたゴルフクラブです。(ドライバー/フェアウェイウッド/レスキュー/アイアン)

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2代目M2公式報道資料pdf←発売当初の資料をみることができます。

2代目M2は、新たに2つの性能を追加して飛距離性能と寛容性をさらに向上させたゴルフクラブです。

2代目M2の特徴

・寛容性と打音を改善
・軽量化

【寛容性と打音を改善】ジオコースティック・デザインの採用

トゥ側のソールとクラウンのつなぎ目を改良して、フェースを7％拡大し、寛容性を向上しました。ヘッドの表側の3本のサウンドリブが打音を調整してくれます。

【軽量化】マルチマテリアル構造での軽量化と新開発スピードポケットでの反発性能向上

チタン素材を変更してさらに軽量となり、新開発のスピードポケットと慣性モーメントを高めるウエイトも搭載され、より安定した飛距離となりました。

寛容性が増し、飛距離も大きく伸びる2代目M2は、一般ゴルファーだけではなく、タイガー・ウッズやローリー・マキロイなどのトッププロに愛用されるようになりました。

中古しかないフェアウェイウッド/レスキュー新品アイアンが2代目M2はまだ購入ができそうです。

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しかし、Mシリーズの進化はまだまだ続きます。

7.M3の特徴

2018年、M1はM3へ大きく進化します。多くのゴルファーが飛距離だけではなく、曲がらないでまっすぐ飛ぶことを求めていることから開発されました。

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M3公式報道資料pdf←発売当初の資料をみることができます。

M3の特徴

弾道のばらつきを軽減
初速アップ
打出角を調整

【弾道のばらつきを軽減】ツイストフェース

アマチュアゴルファーのドライバーのショットデータ50万発より、多くの打点が「ハイトゥ」と「ローヒール」になることを知り、「打点傾向に合わせてフェースをねじる」という結論を得ました。
フェースのハイトゥエリアをオープンかつロフトを寝かせることで、低弾道のフックの軽減し、ローヒールエリアではロフトが立つようにして高弾道スライスを軽減させることを可能にしました。これにより、ミスヒットによるミスショットが軽減されました。

【初速アップ】とスイートエリア拡大を可能としたハンマーヘッド

ソールのフェースよりに配置された溝「ハンマースロットヘッド」内部にある2本の硬いリブが、インパクト時のエネルギーロスを食い止める役割をしてくれます。それにより、フェースを薄くし、スイートエリアを拡大することも可能になりました。

【打出角を調整】Tトラック・システムから進化したYトラック・システム

11gの2つのウエイトが縦横無尽に移動することにより、フェード、ドロー、打出角を調整することができ、ゴルファーの希望に合わせたセッティングができるようになりました。

M1と同様にM3 460とM3 440の二つのタイプに分かれています。

M3 440はスコアメイクをしたいゴルファーには、細かい調整ができて弾道をコントロールができるので、うってつけのクラブと言えるでしょう。クラウンの白色がシルバーに変更されて精悍なイメージになりました。

M3は中古になりますが購入が可能でした。（2021年11月現在）

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2018年は、M2も同時に改良されM4へと進化しました。

8.M4の特徴

2018年M3と同時に発売されたM4は、「まっすぐ　より遠くへ」のキーコンセプトも一緒であり、機能も同じものが搭載されています。(ドライバー/フェアウェイウッド/レスキュー/アイアン )

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M4公式報道資料pdf←発売当初の資料をみることができます。

M4の3つの特徴

弾道のバラつきを軽減
初速アップ
打感

M3にも搭載されているツイストフェースとハンマーヘッド、そしてジオコースティック・デザインで、スイートエリアが拡大され、初速もアップし飛距離性能と直進性も増しました。

さらにヘッド後方に置かれたウエイトパッドにより慣性モーメントが大きくなり、寛容性が向上しより安定した飛距離を出せるようになりました。

M4は、M3にはあるYトラック・システムを搭載していないので操作性は劣りますが、高い弾道と直進性はしっかりと感じられるクラブとなっています。

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M4の評判（2021年11月現在）独自調査

M4の評判
M4シリーズのアイアンは現在（2021年11月）でも人気が高い「アイアンはM4しか勝たん」といわしめる逸品。全Mシリーズ、SIMシリーズのなかでもM4が好きというプレーヤーもいるほどです。

ここまででかなり進化したMシリーズですが、2019年には新たなモデルが発売されます。

9.M GLOIRE（エムグローレ）

2018年に発売したエムグローレMシリーズとグローレシリーズがコラボしました。

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エムグローレ公式報道資料pdf←発売当初の資料をみることができます。

ツイストフェースやハンマーヘッドなどM3とM4の機能を取り入れ、そのうえにオリジナルのテクノロジーを取り込み、アベレージゴルファー向きとなっています。Mシリーズで初めてウェメンズドライバーとアイアンが発売されたシリーズでもあります。

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10.M5の特徴

2019年、M3から引き継いだM5が発売されました。すべてのゴルファーに「飛んで、曲がらない」ドライバーを提供するため、ツイストフェースに加えて新たな機能が搭載されました。

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M5公式報道資料pdf←発売当初の資料をみることができます。

M5の特徴

テーラーメイド史上最高の反発
幅広い調整が可能

【テーラーメイド史上最高の反発】スピードインジェクション

これまでのゴルフクラブでは、ルールに基づいた設計がされ、生産されてきましたが、生産過程おいて製品の個体差があり、そのバラつきを考慮した設計となっていました。そこで一旦反発係数をルール適応外まで持っていき、その後チューニングで戻す工程をとることにしました。この工程によりルール内最上限の反発係数に収めることができ、テーラーメイド史上最高の反発のドライバーができあがりました。

反発力が増したことにより、ボールの初速と飛距離性能はさらにアップし、ゴルファーのパフォーマンスを上げてくれます。