ゴルフにおいて、シャフトはプレースタイルやスイングに直結する重要な要素です。クラブ全体の性能を引き出すためには、自分にぴったりのシャフトを選ぶことが不可欠。今回は、おすすめの5大シャフトメーカーを紹介し、それぞれの特徴や選び方のコツを解説します。自分に合ったシャフト選びで、プレーの精度や飛距離を大きく向上させましょう。
目次
はじめに.ゴルフシャフト5大メーカーをご紹介
ゴルフシャフトの製造と販売をしている5つのメーカーを紹介します。
- フジクラ
- グラファイトデザイン
- 三菱ケミカル
- USTマミヤ
- スリリング(Threering)
※順位不動で紹介します。
ゴルフのシャフトメーカー5社の特徴を次項でまとめています。ぜひ自分にあったシャフトを選ぶときの参考にしてください。
①フジクラ(藤倉コンポジット)
- 一人ひとりのプレイヤーに、ベストフィットなシャフトを。
をコンセプトに東京有明に本社を構えている老舗メーカー。元々は、工業用ゴム製品を扱い、救命ボートや救命胴衣を主に製作していた藤倉コンポジット株式会社。100人いれば100通りのシャフトが必要との考えの元、多くのプロゴルファーと契約をしています。
フジクラは、シャフトの軽量化を得意とするメーカーで、特に操作性や振り抜きやすさを重視したシャフトをラインナップしています。スピーダーシリーズなどで知られるフジクラのシャフトは、飛距離を追求するゴルファーにおすすめです。スイングスピードに合わせて最適なフレックスを選ぶことができ、軽量シャフトながらしっかりとした打感を提供します。
1973年-当時会長だった松本重男氏が渡米し、カーボンシャフトの製造を決意。独自開発がスタートします。
1974年-ゴルフ用カーボンシャフト(フジクラシャフト)Flyrunが発売。『スチールより飛んで転がる』がコピー。
1984年-世の中がリシャフトブームになり、その火付け役に一役買います。
1992年-『しなり戻り』の特性に気づく。
1996年-世界初、3軸織物を使用したシャフトを発売Fit on! 海外トップアスリートが愛用したことでかなりの話題に。
1997年–大ヒット商品スピーダー757が誕生(伝説の名器)
2001年–スピーダー661が大ヒット
2005年-3軸織物と2軸平織のハイブリットであるランバックスリシーズが誕生。
2009年-しなり戻り3軸プラス振動制御の4軸を合わせた世界初7軸シャフト『モトーレ』発売。
2010年–VT/VC1/VC2の発売(モトーレのラインナップ)
2011年-東日本大震災により福島県の工場が被災。
2012年-革新的なカーボンと金属を複合した「しなり」「操作性」重視したMCIを発売。
2013年-伝説の名器スピーダーが進化して発売『Motore Speeder』
フジクラといえば伝説の名器スピーダー
画像出典:フジクラ公式サイト
フジクラは、シャフト界でも老舗メーカーでその技術力は信頼でき数々のブームを起こしてきました。フジクラのスピーダーシリーズは、軽量でしっかりした打感が特徴のシャフト。スイングスピードが速いゴルファーにとっては、ボールを効率的に飛ばすために欠かせないアイテムです。スピーダー661やスピーダーEVOLUTIONは、飛距離アップを求めるプレーヤーに特に好評です。
- アイアンカーボンシャフトで高い人気を博しているMCI
- 軽量でヘッドスピードを走らせることができるAIR SPEEDER
- 素材からこだわり高級なシャフトであるジュエルライン
- 短尺専用のシャフトであるSPEEDER SLK
といった値段やクラブの番手、更には素材によってシャフトの作り方を変えて高い技術力で素晴らしいシャフトを作り上げています。
世界初の技術を多く開発
- フジクラというシャフトメーカーはシャフトとのヘッドの走りがよく、シャフトから伝わる走りの速さでヘッドにかけて鋭い加速力を出してくれるのが最大の特徴です。
- 日本人ならではの着目でシャフト機能の最大を引き出しゴルフギア界にブームを巻き起こしてきました。
②グラファイトデザイン(GRAPHITE DESIGN)
埼玉県秩父に本拠地を置く1989年設立した株式会社グラファイトデザイン。グラファイトデザインは、特に高精度なシャフト設計で知られる日本のメーカーです。グラファイトデザインのシャフトは、しなりと反発力をうまく調整しており、安定した飛距離とコントロール性を実現します。硬さのバリエーションが豊富で、プレーヤーに合ったフィット感を提供します。
ドライバーシャフトはプロ使用率No1
「世界のゴルファーに夢と希望を与える商品開発」をコンセプトに、まずはプロに納得してもらうシャフトを目指し、長年ドライバーシャフトのプロ使用率はNo1。
※各年度のジャパン男子ツアーにおけるTOUR AD全ウッドシャフトの平均使用率です。
キャロウェイをはじめとするアメリカメーカーも採用
1993年にキャロウェイのシャフトに正式採用決定。そのご99年からはそのほかのアメリカメーカーにも供給しました。
日本のトッププロが愛用
- 石川遼選手はTOUR AD PT
- 松山英樹選手はTOUR AD DI
長年男子プロから一般上級者、初心者の方まで幅広いゴルフプレイヤーが使用してきたシャフトメーカーがグラファイトデザインです。
グラファイトデザインには中調子でシンプルに素直な動きをしてくれるTOUR AD PTとTOUR AD DIという2種類が特に人気で多くの方が使用されています。
石川遼選手はTOUR AD PTを使用しており、松山英樹選手はTOUR AD DIを使用していることでも有名です。
TourAD PT
画像出典:TourAD PT
石川遼プロが長年愛用し、上田桃子プロのエースシャフトである「PT」!今なお多くのプロが使用し驚異的なロングセラーを誇る代表作であり、TourADシリーズのど真ん中に位置する名器中の名器。クセのないしなり感とタイミングの取りやすさがウリです。(Instagram引用)
TOUR AD DIがメジャー制覇に貢献
画像出典:TOUR AD DI
「TOUR AD DI」はシャフト全体がクセなくしなやかにしなってタイミングが取りやすく、先端の剛性を高めインパクトのブレを抑えたシャフトです。多くのプロが使用しているためハードなイメージがあるかもしれませんが、適正な重量・硬さを選べばどなたでも使用できるシャフトです!(公式Instagram引用)
グラファイトデザインのシャフトはどの種類のシャフトでも長年モデルチェンジをして発売されているので、長年多くのプレイヤーが愛用しています。
③三菱ケミカル
東京都千代田区に本社を置く日本国内最大の大手総合科学メーカーです。
三菱ケミカルのシャフトは、飛距離と安定性のバランスが優れており、特にディアマナシリーズ(Diamanaシリーズ)で有名です。ディアマナは、しなり感がしっかりと感じられるため、飛距離とボールコントロールを両立させることができます。パワーを伝える力強さと、スムーズなスイングをサポートする特性が魅力です。
三菱ケミカルといえばDiamana(ディアマナ)
三菱ケミカルはタイガーウッズをはじめとして世界の有名プレイヤーが使用していることで知られています。タイガーウッズが使用していることで有名なDiamana(ディアマナ)というシャフトを1度は手に取ったことや、使ってみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。
青マナ・赤マナ・白マナ
- ディアマナBF通称青マナは、万人受けする素直な中調子シャフトです。
- ディアマナRF通称赤マナは、先端の走りが速くユニークシャフトです。
- ディアマナDF通称白マナは、手元調子ライクな動きをしてくれるタイガー愛用のシャフトです。
三菱ケミカルのシャフトは全体的に、カラーリングの美しさやデザインのカッコ良さは軍を抜いた特徴の一つです。
④USTマミヤ
Quality(品質)・Performance(性能)・Feel(感性)輝けるプレーヤーに輝けるシャフトを。がコンセプトのUSTマミヤ。株式会社シャフトラボという社名にあるようにシャフトをメインとしている会社です。
USTマミヤは、軽量で操作性に優れたシャフトを提供するメーカーで、特に「アメリカ市場」に強い影響力を持っています。USTマミヤのシャフトは、振り抜きやすさや軽量感に加えて、しっかりとした反発力もあり、飛距離と精度を両立させます。ツアーレベルのシャフトを数多く手がけており、非常に精緻な技術が詰まっています。
USTマミヤといえばATTAS(アッタス)
画像出典:アッタス
USTマミヤノのシャフトであるATTAS(アッタス)は、日本語で「厚さ」や「逞しさ(たくましさ)」などを意味する言葉で、ゴルフクラブのシャフトにおいても力強く、しなやかな性能を期待させる名前となっています。
さらに、先端の剛性が高いことで知られているATTAS PUNCH(アッタスパンチ)という種類や先端の走り感が強烈で有名なATTAS COOOL(アッタスクール)といったシャフトのブランドでも種類ごとに特徴がはっきりとしているものが多く、自分のプレースタイルの特徴を活かせるシャフトが揃っています。
飛ばすことが得意な方にはAUGA(アウガ)という飛距離に特化したシャフトが発売されているので、ドラコンに出ている方にもおすすめのシャフトです。
画像出典:AUGA(アウガ)
AUGAのデザインは、大手飲料メーカーのプロダクトデザインを手掛けるデザイナーさんが監修しています。ゴルフ業界にとらわれない斬新な思考が織り込まれています。(このデザイナーさんが誰なのかとっても気になる)
⑤スリリング(Threering)
Threering(スリリング)は上級者の方はもちろんのこと、初心者の方にも入りやすいデザイン性が特徴的でおしゃれなゴルフシャフトが取り揃っていることで有名です。
スリリングは、精密な設計と高い耐久性を持つシャフトで知られるメーカーです。特に、安定した飛距離と精度を求めるゴルファーに向けて設計されたシャフトが特徴です。スリリングは日本国内で高い評価を受けており、比較的硬めのシャフトを多くラインナップしています。
スポーツライン
画像出典:スリリング
『GEAR CHAN(ギアチェン)』はリミッターを外してトップギアで切り返しヘッドスピードが加速する新感覚のシャフトです。
アートライン
画像出典:スリリング
プロダクトは「ハルカナ」、「アオサキ」、「カゼトモ」アオサキのスピンオフデザイン「アケボノtype」、トランスミッションアイアンシャフト「ソラトビ」です。アートラインのテーマは『好きなデザインの方が飛ぶ気がする』です。(Instagram引用)
Threeringはインパクトとヘッドの走りに特化したハルカナ、ボールの打感とヘッドの走りに特化したアオサキといったブランドのシャフトが人気です。
2023年には「シュハリ」という新しいブランドが発売されました。手元部分の剛性を最大限にゆるめることで、インパクトまでのタメを作りヘッドスピードを減速させないのが最大の特徴です。
さいごに.自分にあったシャフトの選び方
自分のゴルフプレーに合ったベストなシャフトの選び方をまとめました。シャフトによってボールの飛距離、コントロール性などがかなり変わってくるので慎重に選んでいきましょう。
自分のスイングスピードを計測しよう
自分のプレーに合ったゴルフシャフトを選ぶ最初のステップは、自分のスイングスピードを正確に測定することから始まります。
これはクラブヘッドのスピードやフレックス(シャフトの硬さ)を選ぶ時の基準になります。
シャフトの硬さと重さを選ぶには、スイングスピードが何かと基準になってくるので、最新のスイングスピードを計測しておくとシャフト選びがスムーズです。
ヘッドスピードの計算方法
ドライバーの飛距離÷5.5=ヘッドスピード
自分のヘッドスピードが分からない人も、ドライバーの飛距離は目安でもわかっている場合が多いです。
ドライバーの飛距離からヘッドスピードを計算することができます。
- 例.ドライバーの飛距離が220ヤードの場合
220÷5.5=40m/s - いつもドライバーでの飛距離が220ヤードくらいであれば、「220ヤード÷5.5=40 m/s」となります。
- ヘッドスピードは飛距離に比例します。
- 飛距離がわかればヘッドスピードも分かるわけです。
シャフトの硬さ(フレックス)を決める
スイングスピードがわかったら、それに基づいて適切なフレックス(シャフトの硬さ)を選んでいきます。
例えば、スイングスピードが速いか遅いかで極端に選んでみます。
- スイングスピードが速い場合は、硬い(Sスティッフ)
- スイングスピードが遅い場合は、柔らかい(Lor A)
現在使っているシャフトのフレックス(硬さ)がどのぐらいのものなのか確認していきましょう。ゴルフのシャフトの硬さはフレックスで表示されます。
硬さは6段階です。
柔らかい | やや柔らかい | 普通 | やや硬い | 硬い | すごく硬い |
L(レディース) | A(アベレージ) | R(レギュラー) | SR(スティッフレギュラー) | S(スティッフ) | X(エキストラ) |
特に気に入っているクラブのシャフトフレックスは覚えておけばクラブ選びの基準になりますよ。
柔らかいシャフトの特徴
シャフトは柔らかければ柔らかいほど飛距離を出すことができますが、ミスショットをしてしまうと曲がってしまうので弱点があります。
硬いシャフトの特徴
ゴルフのシャフトが硬ければ硬いほどミスをしても曲がることが少なくなりますが、柔らかいものと比較した時飛距離がでにくくなってしまいます。
シャフトの重さを決める
シャフトの重さも重要な要素です。軽いシャフトは振りやすく、速いスイングスピードがあり、重いシャフトは制御がしやすくなります。
自分の好みとプレースタイルに合った重さを選びましょう。
店頭でゴルフクラブを見ているとシャフトの側面に数字が記入されている場合があるので、その数字がシャフトの重さになっています。
ゴルフのシャフトの重さを調節すると、スイングに安定感がプラスされます。シャフトが重ければスイングスピードが落ちてしまったり振りきることができなかったりと、シャフトが軽すぎるとスイングのタイミングに影響が出るのです。
シャフトの重さはスイングスピードによって変わってきて、スイングスピード(m/s)が4m/sほど違うだけで10グラム単位ごとに重さが変わってくるので、自分のスイングスピードを計測することがおすすめです。
シャフトの素材を決める
シャフトの素材も選択肢があります。
グラファイト製
グラファイト製のシャフトは、軽いのが特徴です。軽いのでスイングスピードが速いプレーヤーに向いています。
スチール製
スチール製のシャフトは、重いのが特徴です。重いことで制御がしやすいためスイングスピードが速くないプレーヤーにおすすめです。
自分のプレースタイルに合った素材で決めていきましょう。
シャフトのトルク(ねじれ)を決める
シャフトのトルクとはシャフトのねじれを表すもので、ねじれの度合いが強ければ強いほどよくねじれるシャフトということになります。
シャフトのトルクはドライバーとアイアンでねじれ度合いが違い、ドライバーはねじれる度合いが強く、アイアンはトルクが弱くねじれにくいです。
トルク3.5前後を中心に、曲げたくない方は3.5以下のトルクを選ぶことをおすすめしますし、球の飛ばしたいという方は3.5以上のトルクを選ぶ方が多いです。
アイアンの場合トルクは2.0以下のものが基準となっていて、トルクよりもシャフトの重量を見て検討することをおすすめします。
シャフトの元調子/中調子/先調子を理解する
ゴルフのシャフトにはキックポイントをどこに設定するのかという元調子、中調子、先調子という3つの種類があります。
この調子の違いでスイングのタメや性能面で大きく異なるものです。
元調子
元調子とは、手元にキックポイントが設定されているので切り返しの際にしなりが手元に存在がありタメが作りやすくなっています。
中調子
中調子とは、キックポイントがシャフトの中央部分に設定されていてタメも飛距離も元調子と先調子の間を取ったバランスが良いです。
先調子
先調子とは、シャフトの先端にキックポイントが設定されていてヘッドが走りやすく高い弾道を生み出しやすいシャフトになっています。
自分のプレースタイルやスイングの種類で元調子、中調子、先調子が変わってくるので自分のプレースタイルと照らし合わせながら選択するようにしましょう。
トルクとは、シャフトがねじれる度合いをしめし、調子はキックポイントとも言われシャフトがどの部分でしなるかを示します。
これらは打った時の感触とボールの飛び方に影響を与えるので試打をしてみてくださいね。
複数のブランドを比較して決める
ゴルフシャフトメーカーによってコンセプトやその歴史に特色が非常に表れています。信頼性のあるブランドの技術や自分が好きなメーカーがあればいくつか試打をしてみてその違いを比較してみることがかなり重要です。
シャフトの主な5つのブランド
- フジクラ
- グラファイトデザイン
- 三菱ケミカル
- USTマミヤ
- スリリング(Threering)
試打をして感触を確認する
最終的には、いくつかの候補を仕出してみてボールの飛びと打感、自分の理想的なスイングを形にしてくれるものに近いものを選びます。打感やスイング時の感触は非常に重要な要素なので、実際のプレーを推定して試打を必ずしてください。
自分に合ったゴルフシャフトの決め方について解説をしてきました。
- 自分のスイングスピードを計測しよう
- シャフトの硬さ(フレックス)を決める
- シャフトの重さを決める
- シャフトの素材を決める
- シャフトのトルク(ねじれ)を決める
- シャフトの元調子/中調子/先調子を理解する
- ブランドとモデルを比較して決める
- 試打をして打った感触を確認する
シャフトで理想のスイングやプレー全体の方向性が決まると言っても過言ではありません。
それほどゴルフシャフトの技術は毎年凄まじい進歩をしています。新作が出るたびに試打をするだけでもその違いを体感することも個人的にはクラブ選びには必要だと感じてしまいます。
ぜひ参考にしてくださったら嬉しいです。
まとめ
シャフト選びはゴルフのパフォーマンスに大きく影響します。今回紹介した5大シャフトメーカーは、それぞれ異なる特徴を持っており、あなたのスイングスタイルやプレーに合ったシャフトを見つけることが重要です。
- フジクラやグラファイトデザインは、飛距離やコントロール性を重視するプレーヤーにおすすめ。
- 三菱ケミカルやUSTマミヤは、安定した飛距離と操作性を求めるゴルファーに最適。
- スリリングは、精密なコントロールと硬めのシャフトを好むゴルファーにおすすめです。
自分に最適なシャフトを選ぶことで、飛距離や方向性、スイングの安定性が向上し、より高いレベルのゴルフプレーを実現できます。試打を通じて自分にぴったりのシャフトを見つけ、次のラウンドでその効果を実感しましょう!
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