ゴルフのスタンスとは、ボールに向かって立つ姿勢と足の配置のことを言います。
正しいスタンスは、ショットを安定させ良いスイングの基盤になります。
みんなボールの前にただ立っているのではなく、あれは考え抜かれた立ち方と位置なんです。
ゴルフを長くやっていると定期的に好不調の波が来ます。調子が悪くなると決まってスイングを修正したくなり、ああでもない、こうでもないと悩みながら、タイミングやスイング軌道などを見直したりしますが、案外スタンスについて見直す人っていないのではないでしょうか?
不調の原因はスイングではなくてアドレス、スタンスの取り方が間違っているケースもけっこうあります。
そのぐらいゴルフのスタンスは浅そうに見えて、奥深く重要なのです。
今回は正しくスタンスをとる基盤となる情報と注意するポイントをまとめました。
目次
1.ゴルフのスタンスとは
ゴルフのスタンスとは、ゴルファーがボールを打つときにボールに向かって立つ姿勢と足の位置のことを言います。
一般的なゴルフのスタンスの基本は、ボールの種類・クラブの種類・スイングのスタイル、体格によって変わりますが、基盤となる手順や配置があります。
ショットの安定性やボールコントロールを向上できるゴルフのスタンスの基礎を次項で解説していきます。
2.ゴルフスタンスの種類
ゴルフのスタンスの種類には大きく分けて3つあります。
①スクエアスタンス(Square Stance)
ゴルフのスクエアスタンスとは、ゴルファーがボールに対して正面を向いて、肩や腰が目標線と並行(スクエア)の立ち方を言います。
スクエアスタンスは、特にストレートなショットやアイアンショットに適しています。
- 足の幅|肩幅かそれより少し広めです。アイアンを使用する場合は、肩幅かよれよりもやや狭めにするのが基本です。
- 足の向き|体の正面に対して、足のつま先をやや外側に向けます。左右の足の向きはクラブによって微調節が必要です。
- 膝|軽く両膝をほどよく曲げて、体重を足にかけることで安定感が出ます。
- 腰の傾き|ボールに近い足の方がやや下がるように腰を傾けてください。なぜならスイングがより直線的になるからです。
- 肩の位置|肩はボールに向くようにしてください。
ドライバーからパターまでゴルフの基本となるスタンスで初心者はまずこのスタンスを覚えることがおすすめです。まずスクエアスタンスでまっすぐボールが打てるようになることが大事です。
②クローズドスタンス(Closed Stance)
ゴルフのクローズドスタンスとは、スクエアスタンスに比べ、右足を手前に引いて目標に対してやや右向きに構えるスタンスです。
「クローズド(Closed)」という言葉は、ゴルファーのスタンスが通常のスクエア(平行)スタンスよりも目標ラインから遠ざかり、外側に向いていることを指しています。体がターゲットに対し閉じた状態でショットをするからこのように呼ばれています。
クローズスタンスという方もいますが、それは間違いで正しくはクローズドスタンスです。
- 足の位置|クローズドスタンスでは、左足を右足よりもやや内側に配置し、右足を自分の体のように引きます。
- ヘッド位置|クラブのヘッドがアドレス時にボールに対してやや内側から入るような角度です。
- 弾道|ボールに左から右への曲がり(フェード)を促します。
インサイドアウト軌道に振りやすいスタンスで、ドローボールを打つのに適したスタンスと言われます。
たとえばスライスが止まらない時にはクローズドスタンスを試してみる価値があるスタンスです。
③オープンスタンス(Open Stance)
クローズドスタンスと逆で、左足を手前に引いて目標に対してやや左向きに構えるのがオープンスタンスです。
フェースが目標方向よりも開いているのでオープンと言われます。
- 足の位置|ボールに対して右足を左足よりもやや内側に配置します。
- ヘッドの位置|オープンスタンスの場合、クラブヘッドがアドレス時にボールに対してやや外側から入るような角度を持ちます。
- 弾道|オープンスタンスは、ボールに対して外側から内側にスイングするためフェード気味になります。
オープンスタンどはアウトサイドイン軌道になりやすいスタンスで、フェードボールを打つのに向くと言われます。ただ、初心者は最初はあまりやらないほうがいいでしょう。なぜならただでさえアウトサイドイン軌道なのにさらにそれを増幅させてしまうからです。
またオープンスタンスはショートアイアンやウェッジなどで飛距離を抑えたいときやバンカーショットではよく使います。
フォローにかけて左側にクラブの通り道ができるので、インパクト後に詰まる、身体が回しにくい、という人はオープンスタンスでうまく行く場合があります。
スタンス時の注意
ただ、一つ注意したいのはクローズドでもオープンでも肩の向きはスクエアにしなければいけません。肩も同じ方向を向いてしまえば、単純に身体全体がその方向を向いていることになってしまいます。
3.スタンス時の足の開きは広すぎても狭すぎてもダメ
スタンスの幅でよく言われているセオリーは「肩幅ぐらい」です。が、実際はけっこう個人差があり自分にあったスタンス幅を知ることが大切です。
狭すぎても広すぎてもいけません。自分が立ちやすい、回転しやすい幅を見つけることが大事です。
あくまでも参考ですが、両足でジャンプしてバランスよく着地できる幅が自分に適したスタンスであったりします。またスタンス幅は全クラブ一定ではなくドライバーが一番広く、クラブが短くなるにつれ狭くなるのが普通です。
また傾斜地では広めにするなどライによっても臨機応変に対応することも重要です。
4.番手ごと変わるスタンスのポイント
ゴルフのスタンスは使うクラブによって変わります。基本は、ドライバーを打つ時が一番足の開きが広く、クラブが短くなるにつれて狭まっていきます。
ドライバーを打つときのスタンスのポイント
ドライバーは飛距離を伸ばしたい時に使い、力強くスイングします。そのため、足の幅を広げて体重をやや右足にかけるスタンスを取ります。
このスタンスを取ることで強力なバックスイングとかえしの動きがしやすくなります。
パターを打つときのスタンスのポイント
パターのスタンスは他のクラブよりも狭く、体重をより均等に足に乗せます。そうすることでスイングが安定しコントロールがしやすくします。
足は肩幅より狭くしてください。パターのフェースはボールのラインに対して直角になるようにしてください。
5.調子が悪くなったらスイングよりまずスタンスを疑え
冒頭でゴルフは定期的に好不調の波が来る、と言いました。
私の経験でも時々スイングが全く分からなくなることもあり頭を抱えます。
こんなときスイングがおかしい、と悩み、スイングを修正しようとしがちです。でも多くの場合、スイング自体ではなくアドレスの形、スタンスがおかしいのが原因です。
無意識のうちに右を向いたり、左を向いたり、スタンスと肩、さらに言えば腰の向きが違っていたり、ということも多いので調子が悪くなったらまずはスタンスを疑うことを推奨します。
6.正確なスタンスをとるための5つのポイント
それでは正しいスタンスをとるためのポイントについて5項目まとめます。
必ず真後から目標方向にスパットする
ゴルフにおけるスパットとは、ボールを適切な位置に置くための目印のことです。
スパットは、ボールを正確な位置に配置するために重要です。
広いゴルフ場の中で狙った方向にまっすぐ立つことは意外に難しいことです。ましてやドライバーショットの目標は200ヤード以上も先の時も普通にありますよね。
ドライバーに限らず、必ず真後から狙った方向とボールを結んだ線上、ボールの先1メートルにスパット位置を決めましょう。
スパットに対してクラブフェースを合わせる
必ずスパットに対してクラブフェースを向けます。
このとき遠くの目標を見ながらやるのは間違いのもとです。
左手で合わせると肩が右を向いてしまうリスクがあるので右手だけ(右利きの人)で合わせるようにしたほうがミスが減ります。
その後、左手グリップを握るようにしましょう。
クラブフェースに対して直角に立つ
クラブフェースの向きに対して直角にスタンスをとります。
ボールの位置、ボールと身体の距離にも注意してスタンスを取ります。
肩と腰の向きもターゲットに合わせる
よくあるミスはスタンスそのものは目標方向と平行になっているのに、肩と腰の向きが右を向いてしまっているケースです。
せっかくスタンスが正しく目標を向いても肩の向きが違っているとスクエアスタンスにはなりません。
肩の向きもしっかり目標に向けましょう。また、スタンスをクローズド、オープンにする場合でも、肩と腰の向きは目標方向に向けます。
体重配分を考える
これも多少個人差がありますが、ドライバーでは右足6左足4が基本で、クラブが短くなるにつれ左右同じになり、ショートアイアンやウエッジでは右足4左足6、というように体重配分を変えていくことも必要です。
また、傾斜地やバンカーなどでも体重配分に注意しながらスタンスを取ることでミスを減らすことができます。
まとめ
ナイスショットするためには正しいスタンスを取ることはとても重要です。
「スタンスをしっかりできればナイスショットはほぼ約束されたもの」と言う人もいるぐらいです。
調子が悪くなったら、スイングを直すよりも、まずはスタンスを確認することをおすすめします。
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