ゴルフ会員権の持ち主が亡くなった時の相続・売却手続き

Golf membership inheritance

ゴルフ会員権の基礎知識

ゴルフブームが盛んだったバブル期に40代・50代だった方が、現在80代の年齢となり、ゴルフ会員権の相続をする案件が増えています。

大切な方が亡くなると様々な法要や準備に追われ、たくさんのやらなければならないことがありますよね。その中でもゴルフ会員権の相続については後回しになりがちです。

不慣れなゴルフ会員権の相続で多くの方が迷う「どのように」手続きをすればいいのかについて簡潔に要点をまとめています。

ゴルフ会員権の相続手続きがスムーズに進みますのでぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。

1.死亡したらゴルフ会員権はどうなる?

golf putting

ゴルフ会員権の所有者が亡くなった際に、はじめに行うことは、年会費の停止をゴルフ場へ連絡してください。その後に相続についてどうするかを考えていきましょう。

年会費の支払いが発生しては面倒ですからね。

ゴルフ会員権は、法的には財産とみなされているので、所有者が死亡した際には遺産分割の対象となります。したがって相続人に対してその権利が引き継ぐことが出来ます

ゴルフ会員権の会員規約で「会員の死亡=資格喪失」となっている場合があり、この場合は相続財産に含まれません

所有者が既に亡くなっていて、関係書類がどこにあるかわからない場合はゴルフ場へ問い合わせをすると確認することができますので安心してください。

上記以外は、相続財産に含まれると考えてください。

>>>ゴルフ会員権とは

2.ゴルフ会員権の相続に必要な書類

相続必要書類

ゴルフ会員権を相続する際に、4つの必要書類の準備が必要になります。これらの書類は該当のゴルフ場へ提出します。

亡くなった方の除籍謄本と改正原戸籍

除籍謄本と改正原戸籍は、所有者が亡くなられたという証明書として扱われます。

戸籍所在地の市区町村役場で取得できます。マイナンバーカードでコンビニで取得することが出来ません。

相続人全員の戸籍謄本の原本

相続人全員の戸籍謄本が必要です。これはゴルフ場が相続人が誰なのかを知るために提出をします。原本ではなくコピーでもいいという場合もあります。

戸籍謄本はマイナンバーカードを使ってコンビニで取得することが出来ます。

相続人全員の印鑑証明

相続人全員の印鑑証明書が必要です。取得から3ヶ月〜6ヶ月以内のものと指定があるので取得するタイミングをみてください。

印鑑証明はマイナンバーカードを使ってコンビニで取得することが出来ます。

相続人の署名と実印入りの同意書

同意書または、遺産分割協議書(原本またはコピー)のどちらかが必要になります。

同意書は、ゴルフ場の規定紙がある場合と、形式に従って作成されたものでも良い場合があるのでゴルフ場へ確認してください。

3.ゴルフ会員権の相続税

Golf lesson beginner

ゴルフ会員権を相続する場合、相続税の課税対象となるので、相続税評価額を計算することになります。

相続評価の決め方については要点を理解していれば難しくありません。

ゴルフ会員権の取引相場の価格の70%で評価される

ゴルフ会員権には取引相場がそれぞれあります。所有者が亡くなった時期の取引相場価格の約70%で評価されます。

相場は、インターネットで調べることができ「○○カントリー 相場」と検索するとゴルフ会員権業社のサイトで見ることが出来ます。

預託金(よたくきん)も評価額に含める

ゴルフ会員権には預託金と呼ばれる、ゴルフ場から返還されるお金があります。

ゴルフ会員権を購入した時の預託金金額ではなく、返還された金額で評価されるのを覚えておきましょう。

ゴルフ会員権の相場に預託金を含んだゴルフ会員権の相続評価額から適用税率をかけて算出されます。

相続評価は、会計士などによって行われる場合が多いので専門の方に相談をしてください。その時の相続税の納税額といつまでに納めなければならないかの期間も確認しましょう。

相続税の申告期限

相続税の申告期限は、相続が生じた日(元の所有者が亡くなってから)から10ヶ月以内となります。

4.ゴルフ会員権の相続方法

ゴルフ会員権相続

ゴルフ会員権を持っている方が亡くなってしまった場合、相続人は2つのケースに分かれます

  • 【引継ぎ】相続してゴルフ会員権の権利を引き継ぐ
  • 【売却】相続してゴルフ会員権の権利を売却する

それぞれについてどのような手続きがあるのか要点をお伝えしていきます。

【引継ぎ】手続き

ゴルフ会員権の権利をそのまま引き継ぐ場合の手続きはとても簡単です。該当のゴルフ場へ電話して「所有者が亡くなり権利を引き継ぎたい」と伝えればそのままスムーズに手続きを終えることが出来ます。

相続で入会するメリットは、通常に入会するよりも入会規制のハードルが下がる傾向にあるのと、名義変更料が半額になるなど安く済む場合があります。

引き継ぐということは、ゴルフ場へ年会費の支払いが発生することを覚えておいてください。

【売却】手続き

相続したゴルフ会員権を売却するとなった場合、ゴルフ会員権業社に売却の仲介を依頼する流れになります。

相続したゴルフ会員権を売却する場合は、相場よりも安くなる場合があります。理由は、ゴルフ証券の裏に所有者の名前が記載されていて、相続の場合その名前を書き換えるので証券が汚れるという感覚で価値が下がるや、単に縁起を担げないから、などといった理由が言われていますが現代では気にしないという人が多いです。

そのゴルフ会員権がそもそも売却できるのもなのかどうかも含めて、売却時の全体の流れをくわしく解説していきます。

5.相続したゴルフ会員権を売却する流れ

相続したゴルフ会員権を「売却したい」となった場合の流れと、売却に必要な要点をまとめています。

証券があるか確認する

ゴルフ会員権は証券という形でA4サイズぐらいの実物が存在します。

この証券がないと売却手続きができない為あるかないかの確認をしましょう。

証券がない場合は、該当のゴルフ場へ連絡して「再発行手続き」が行えます。ですが、手続きが有料なのと結構な時間がかかってしまいます。

会員権の種別を確認する

ゴルフ会員権には種別があります。種別によって会員権の価値が変わるので事前に確認をしておきましょう。

  • 正会員権
  • 平日会員権
  • 婦人会員権
  • 法人会員

一般的には正会員権はいい値で取引され相場も高く設定されていることが多いです。

預託金があるかないかの確認

ゴルフ会員権には預託金があるものと、預託金がないものがあります。

預託金はゴルフ場へ直接支払っているお金で、会員が退会時に返還されるお金です。

預託金の金額によっては、売却するかそのまま退会するかで入ってくるお金が変わるので確認をしておきましょう

預託金は会員権を売却すると返還されないお金なので金額によっては損をしてしまうかもしれませんのでしっかり検討する必要があります。

>>>預託金についてもっと詳しく

ネットで会員権の相場のチェックをする

ゴルフ会員権の相場が現在いくらなのかをインターネットで確認します。「〇〇カントリー 相場」の検索で見ることが出来ますが、正確には持ち主が亡くなった日の相場が基準となります。

ゴルフ会員権業社に依頼する

証券の確認・会員権の種別の確認・相場の確認が済んだら、ゴルフ会員権業社に依頼をして買い手を見つけてもらうことになります。

参考として、主なゴルフ会員権業社は次項です。

日本ゴルフ同友会 1961年創業。業界において最も長い歴史を持ち全国のゴルフ会員権を取り扱い安心して取引ができます。
桜ゴルフ 1970年創業。名門コースを取り扱い東京銀座に本社を構え安心して取引ができます。
住地ゴルフ

1970年創業。フリーダイヤル・WEBから問い合わせが可能東京恵比寿に本社を構える。条件に当てはまれば会員権代金及び手数料の全額返金されるので安心して取引ができます。

ゴルフホットライン ゴルフ会員権の現状の相場をインターネットで提供しています。

基本的にゴルフ会員権業社の手数料は5万円〜だと思っておいてください。

大体1ヶ月ほどで買い手が見つかり、売却金額に納得できれば売却となり、売却金額が入金され手続きは終了となります。

ここまでが、ゴルフ会員権を売却する場合の流れになります。

売却した場合、翌年の確定申告が必要となるので必ず申告してください。

6.売却できないゴルフ会員権の場合

売却できないゴルフ会員権・売却してもほとんど利益がないといった会員権があります。そういった場合は、ゴルフ場に直接「退会したい」と伝えてください。無駄な年会費を払うことを回避できます。

7.売却で利益を得る場合

ゴルフ会員権を売却して利益を得たいと考える場合4つのポイントを特にしてください。

  • 売却するために元所有者から相続人への名義変更手続きが必要かどうか(ゴルフ場へ確認)
  • 名義変更をした場合の年会費の支払い(ゴルフ場へ確認)
  • 退会した場合の返金される預託金がいくらか(ゴルフ場へ確認)※預託金は売却時は返還されません
  • 返還される預託金よりも売却金額が高いか低いか(ゴルフ会員権業社へ確認)
  • 預託金の据置期間(ゴルフ場)※預託金は据置期間がすぎていないと返還されません
  • 相続税の金額

ゴルフ会員権で利益を得たい場合は、4つのポイントについてあらかじめリサーチをしておきましょう。知らずに売却をしてしまうなどで損をしてしまうことを回避することが出来ます。

まとめ

相続という言葉を身近に感じる方は少ないと思います。特にゴルフ会員権の相続については人生のうちに一度あるかないかだと思います。残念ながら相続ではトラブルが起こりやすいのも事実です。亡くなった方の意思や思いをできるだけ反映し安心して相続を終えることができるようにこの記事が役立てばうれしいです。

バブル期のゴルフブームの頃にゴルフ会員権の恩恵を受けてきたメンバーさんの会員権が相続として売却されるケースが増えています。ゴルフ会員権の購入を検討している方にとっては、今は買い時の時期が来ているのかもしれません。

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