ゴルフ会員権の預託金とは|預託金と入会預託金(名変預託金)の違い

ゴルフ 預託金 入会預託金

ゴルフ会員権の基礎知識

預託金(よたくきん)は普段聞かない言葉ですよね。

ゴルフ会員権の購入を検討している方が損をしない為にも預託金の意味を理解しておく必要があります。

預託金にとても似た言葉で入会預託金(にゅうかいよたくきん)という言葉もありますが、まったくの別物です。その違いについても次項の順序で解説しています。

預託金について

入会預託金について

預託金と入会預託金の違いについて

この記事では、ゴルフ会員権の預託金と入会預託金、さらに名義変更料との違いをかなりわかりやすく解説します。

預託金と入会預託金の違いを明確にすることでゴルフ会員権を購入する際、売却する際のリスクを下げることができますよ。

1.預託金とは|新規募集時に預けるお金

預託金とは

預託金(よたくきん)とは、ゴルフ場が新規でメンバー募集をする時にゴルフ場に預けるお金のことです。

■募集入会の場合

募集入会とは、ゴルフ場が直接募集を行って入会する場合次項4つの支払いが発生します。

  • 入会金
  • 預託金
  • 年会費
  • 手数料

預託金の相場

現代の預託金の金額は数百万前後で設定されていることが多く、インターネット検索で気になるゴルフ場の預託金額を見ることが出来ますし、ゴルフ会員権業者に質問すると教えてくれます。

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預託金は退会すると返還されるお金

預託金は、一定期間(10年〜20年)を過ぎて退会する時に返還されます。

具体的には、無利子で10年〜20年ほどの一定期間を据え置きされた後にゴルフ場を退会しゴルフ場に会員権を返納することで返ってきます。

預託金が返還されない2つのケース

預託金が返還されないケースが主に2つあります。

1つはゴルフ会員権を第三者へ売却した場合、2つ目はゴルフ場の経営不振で資金がない場合です。さらに次項で詳しく解説していきます。

①第三者へ売却した場合

預託金の特徴として、ゴルフ会員権を第三者へ売却すると預託金は返ってきませんので注意してください。

理由は、会員権の売買は預託金の返還請求権も一緒に売買されるので、第三者へ売却すると預託金は返還されないのです。

②ゴルフ場にお金がない場合

ゴルフ場の経営不振によってゴルフ場に余分な資金がない場合も預託金はすぐに返金されない場合があります。

こういった場合のゴルフ場は2つの方法で預託金を返金していることが多いです。

  • 数年に分割で返還される
  • 年間のゴルフ経営で利益が出た分を抽選をして返す人を決めて返還される

最悪の場合、ゴルフ場の経営が悪化して潰れてしまった場合は、1円も返ってこないということが過去にありましたが、現代においてはゴルフ場が経営不審で潰れてしまうということはありませんので安心してください。

損をしてしまうよくある例

例えば、預託金の返金対応が良好なゴルフ場の会員権を自分が支払った預託金の金額以下で売却してしまうと損になります。

預託金

預託金売却

ゴルフ会員権を売却した場合の預託金

例えば、預託金400万円/入会預託金200万円のゴルフ会員権を1000万円で第三者に売却するケースでみていきましょう。

預託金400万円のゴルフ会員権を1000万円で第三者に売るとします。
預託金400万円は売却すると返還されないので売却金の1000万円のみ入ってきます

ここまでは預託金についての解説になります。

ゴルフ会員権の売却額によっては損をしてしまいますので自分の持っているゴルフ会員権の相場と預託金がいくらだったのかを確認しながら、売却するか退会するかを見極めてくださいね。

2.入会預託金とは|名義変更にて入会する際に預けるお金

入会預託金

入会預託金は第三者から名義変更によって入会するときにゴルフ場に預けるお金です。

入会預託金は、名変預託金(めいへんよたくきん)とも呼ばれます。

入会預託金は、関東圏の名門ゴルフ場限定で取り扱いがあり、全てのゴルフ場で必要なお金ではありません。

■名変入会の場合

名変入会とは、誰かからゴルフ会員権を取得して入会する場合。

  • 会員権代金
  • 名義変更料
  • 年会費
  • 手数料
  • 入会預託金(ゴルフ場による)

入会預託金の価格帯

入会預託金はゴルフ場によって100万円〜500万円の幅で設定されています。

名義変更料と混在されがちだがまったく別物

入会預託金は、名変預託金と呼ばれることと名義変更費用と言葉が似ているので、勘違いしてしまう人も少なくありません。

名前は似ているのですが全くの別物であることを今回で覚えておきましょう。

  • 入会預託金(名変預託金)|名変入会時にゴルフ場に支払い売却時に返還されるお金
  • 預託金|新規募集で入会時にゴルフ場に支払い退会時に返還されるお金
  • 名義変更費用|入会にかかる事務手続き費用に使われる返還されないお金

名義変更料はゴルフ場に払いっぱなしのお金

名義変更料は、基本、事務処理費用として使用されます。具体的には、ネームプレート・会員証の発行・面接にともなる人件費などです。

名義変更料の相場は、1000万円から10万円とゴルフ場によってまったく違います。

仮に、名義変更料がなかった場合のゴルフ場はこれらの作業をすべて赤字で行い発生する費用を負担することになるので、ゴルフ場運営自体の継続が難しくなってしまうのが、名義変更をして入会する会員が支払う理由になっています。

名義変更料として支払ったお金は、ゴルフ場の運営として使用されるためいっぱなしのお金となります。

入会預託金(名変預託金)は返還されるお金

ゴルフ会員権を第三者に売却したとき、その会員権を購入した方がゴルフ場に入会したタイミングで返還されるのが一般的です。退会した時は返還されませんので注意してください。

入会預託金を設定しているゴルフ場は主に関東圏の名門ゴルフ場でそもそもゴルフ運営経費が潤沢にうまくいっておることからほぼ返還されます。

返還されないリスクが非常に低いお金になります。

入会預託金の返還例

たとえば、入会預託金が100万円のゴルフ会員権を500万円で第三者に売却するケースで考えてみます。

入会預託金が100万円のゴルフ会員権を500万円で第三者に売却するとします。
入会預託金は、メンバーに付帯しているのでゴルフ場から直接100万円が返却され、売却金額500万円と合わせて600万円が手元に入ってきます。

入会預託金があるゴルフ会員権は、返還されることがほとんどなので売却することがほとんどです。

それゆえ限られた関東圏の名門ゴルフ場にしか設定されていないのもうなずけますよね。

3.預託金と入会預託金の違い

預託金と入会預託金について理解したところで、違いについてまとめます。

預託金(よたくきん) 入会預託金(にゅうかいよたくきん)
目的 新規募集の会員権 第三者から売却した会員権
相場 数十万〜数百万 100万円〜500万円
返還されやすさ △返還されにくい ◎返還されやすい
返還されない場合 売却すると返還されない 退会すると返還されない
返還されるタイミング 退会した時 売却した第三者が入会した時
別名 特になし 名変預託金とも呼ばれる
適応地域 新規募集している全国のゴルフ場 関東の名門ゴルフ場
譲渡 譲渡できる 譲渡できない

①返還されやすさ

預託金と入会預託金は返還されやすさが違います。

入会預託金は返ってこなかったという話は聞いたことがないですが、預託金は返ってこないことがあるのです。

入会預託金は返還されやすい

入会預託金はほとんど(100%)返還されています。

なぜなら経営基盤がしっかりしている関東圏にある名門ゴルフ場でしか設定されていないことと、次の入会者が同じ金額の入会委託金をゴルフ場に支払うことで必ず返還されるという理由でゴルフ場からの返還が滞るという要因があまりありません。

入会預託金返還の流れ

次の入会者の入会のタイミングで返還するだったり、売却したら即座に返還するといった返還のタイミングがゴルフ場によって違うが返還率はほぼ100%と思っていて大丈夫です。

預託金は返還されにくい

強く要求をしても預託金がなかなか返ってこないというケースが過去にありました。

一括で全額返還されることも少なくなく、何年かに分けて分割での返還される場合と、ゴルフ場の利益が出たときに抽選で返還する人を決めるというゴルフ場も多いです。

このゴルフ場からの預託金が1円も返ってこないということがバブル崩壊時期に頻繁に起こり、預託金問題と呼ばるほど深刻化しました。

預託金問題(よたくきんもんだい)
預託金問題とは、会員がゴルフ場に預けた預託金が返金されないことを言います。
原因は、バブル崩壊に伴う会員権の下落です。バブル期のゴルフ場は、募集金額が数千万という価格帯も多く、その多くを預託金が占めていました。その預託金の金額を上回る金額で会員権が売却できれば、当然預託金をゴルフ場へ請求することも強くは望まれないのですが、会員権の価格が下落したことで、相場が預託金の金額を下回ると、退会したいメンバーほとんどが預託金の返還をゴルフ場に迫るわけです。

バブル崩壊後、ゴルフ人口が減っている中でゴルフ場の経営はどんどん不振になり、一人当たり数百万〜数千万のキャッシュを用意することがかなり困難で、現在になっても返還できていません。

今となっては預託金ではなく出資という仕組みにしていれば、評判の良い素晴らしいコースを持つゴルフ場が預託金問題によって破綻していくのも寂しいという声もあるのですが、損をさせられる会員の方のことを考えるとなかなか感情論では片付けることができません。

そういった会員さんのために預託金を優先して返還し、ゴルフ場自体が破綻。破綻してしまったゴルフ場の会員権は無価値となってしまうので、それはそれで誰も救われない結果となってしまうのです。

だから、現在のゴルフ場は預託金を分割で返還したり、抽選で返還するという手段をとっている理由です。

②返還される条件が違う

預託金と入会預託金は返還される条件が異なります。

  • 預託金|退会すると返還される
  • 入会預託金|売却すると返還される

預託金500万円のゴルフ会員権を1000万円で第三者に売却した場合、500万円は返還されません。

預託金はゴルフ会員権を売却すると返ってきません。売却金額1000万円のみが手元に入ってきます。
預託金は退会した際に返還されるので、退会した場合ゴルフ場から500万円返還されますが、売却金額によっては売ってしまった方がお得です。

入会預託金100万円のゴルフ会員権を1000万円で売却した場合、1100万円が手元に入ってきます。

入会預託金は売却で返還されるので売却金額1000万プラス預託金100万円合計1100万円が手元に入ってきます。入会預託金のあるゴルフ場は名門限定なので売却以外は無いと考えて良いでしょう。

預託金と入会預託金の違いは、返還のされやすさと、返還される条件に違いがありました。

まとめ

ゴルフ会員権の預託金と入会預託金の違いを解説してきました。違いがわかることで会員権を購入する時、売却する時のリスクを下げることができますので、ぜひ活用してくれたら嬉しいです。

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