ゴルフマスターズ開幕!マスターズ創設者ボビー・ジョーンズについて語ろう

Bobby Jones

ゴルフ会員権の基礎知識

いよいよ4月8日木曜日はマスターズゴルフ開幕ですね!日本時間では夜11時56分から生中継を(TBS)地上波でみることができます。タイガーがいないマスターズは少し寂しいですが、全力応援します!

ゴルフの歴史において、おそらくボビー・ジョーンズほどの重要人物はいないのではないでしょうか。

ゴルフを愛する皆さんにどうかこの男の存在を知ってほしい!

彼がゴルフ界にとってどのぐらい最強だったのか、一人でも多くのゴルファーに知ってもらえたら!そんな気持ちです。ボビー・ジョーンズをすでに知っているあなたはすごい玄人。どんな人物だったのかを知ればゴルフがまた別の形で特別のものになると思います。

1.ボビー・ジョーンズという誰も超えられないゴルフ界の偉人

アトランタ出身のボビー・ジョーンズは、生涯アマチュアを貫きながら、当時の4大メジャー大会を同一年にすべて制覇した唯一の年間グランドスラマー(タイガーウッズもまだ成し遂げていません)。さらに本職は弁護士で、第二次世界大戦では空軍の指揮官、そしてなんとあのマスターズの創設者なんです。

性格は『紳士』そのもの、他スポーツ界隈からも一躍注目される存在でした。

Bobby Jones
画像出典:thecloverwhiskey

イケオジなルックス!

2.ゴルフを始めたきっかけ

アメリカジョージア州アトランタで1902317日に誕生。1971121869歳で死去。本名は、ロバート・タイアー・ジョーンズ・ジュニア。

10代で才能爆発してた

生まれつき体が弱かったので外で遊ぶことは禁止されていたが、ゴルフだけは許されていたといいます。

本格的にゴルフを始めたのは、インストラクターであるスチュワート・メイデンにイーストレイクゴルフクラブでゴルフを教わってからです。

大事に育てられながら上達していったなか、14才の時に『ジョージア州アマチュア選手権』で優勝した時、全米ゴルフ教会の役員の目に留まり『全国アマ』に招待されます。

全国アマでは準々決勝まで進み好成績を叩き、彼は注目の的となったのです。

年間グランドスラム達成!からのいきなり引退のスター性

全英オープン・全米オープン・全米アマ・全英アマでグランドスラムを達成!その直後競技ゴルフから引退してしまいます。

その時語った言葉が、

トーナメントでプレーすることは、檻の中のようなものだ。最初はそれに関わるよう期待されるが、その後もずっとそこに留まることが当然とされる。しかしもちろん、誰もそこにずっと留まることができないのだ。引用:Bobby Jonesの名言

しかも、この4大会すべてに優勝することを自身で賭けており、相当な金額(6万ドル)をも獲得したとエピソードもあります。優勝できるかできないかなんて本人もわからないし、もし負けた時は大損。そんな中でも結果を出した時の彼の気持ちはどんなものだったのだろうと想像します。


ボビー・ジョーンズ 球聖とよばれた男CE [DVD] 彼の活躍が映画化 彼の死後、2004年に「ボビー・ジョーンズ 球聖と呼ばれた男」という映画が制作されています。

ヒッコリシャフト(当時シャフトとヘッドは木製)時代のもっとも偉大なゴルファーと呼ばれ、『木のシャフト伝説』と呼ばれていました。何から何まですごすぎて書ききれないよ。

3.ボビー・ジョーンズのゴルファー以外の顔

ボビー・ジョーンズはゴルファー以外の顔も持っていました。

ボビー・ジョーンズの凄すぎる経歴

Bobby Jones
画像出典:Wikipedia
ジョージア工科大学の機械工学学士
ハーバード大学英文学学士
第二次世界大戦では海軍指揮官
弁護士
当時の年間グランドスラム達成し伝説のゴルファー
マスターズ創設者

ジョージア工科大学の機械工学学士、またハーバード大学英文学学士という肩書もあり、ゴルフだけでなく多彩な才能を有していたのです。それらを引退した後は、弁護士として出身地であるアトランタを中心に活動しました。

マスターズを創設した男

その傍ら、ゴルフに関わり最大の功績はオーガスタナショナルゴルフクラブの設計にアリスタ・マッケンジー氏とともに加わり、マスターズトーナメントの基礎を築いたことです。

これこそが永久不滅的に彼がゴルフの偉人と言える遺産ではないでしょうか。

Bobby Jones
画像出典:公式マスターズ

コロナ禍の中でもマスターズは開催されています。世界最高峰のメジャートーナメントになっているマスターズですが、当初5年間は「オーガスタナショナルインビテーション」という名称で開催されて、1939年の第6回から現在の名称になっています。

マスターズに改名された理由は謙虚な思考から

『オーガスタナショナルインビテーション』から『マスターズ』に改名したのには逸話があるんです。

当初から世界中の名手(マスター)だけが出場できるということで「ザ・マスターズトーナメント」という名称にしよう、という話が濃厚だったが、ジョーンズが「それは生意気すぎない?」と言って嫌ったため、シンプルな『マスターズ』となりました。どこまでも謙虚な人柄だったことがうかがえるエピソードです。

「the」をつけるかつけないかが結構重要なんですね。

クラブは14本までをルールにした話

現在当たり前である、クラブは14本までというルールになった理由は、当時クラブを31本も使用したプロもいた中、1936年ウォーカーカップに出場したジョーンズ(アメリカ代表)とトニー・トーランス(イギリス代表)との会談で、

ジョーンズ1930年年間グランドスラマーに輝いた年に使用したクラブの本数16本だった』

トーランス『僕が最大使用したクラブの本数は12本だよ』

このエピソードが出たことから、ジョーンズがじゃあ、間を取って14本にしよう!』といったことがきっかけで1939年最大クラブは14本まで、というルールが制定されました。

ほんまかいな??という、嘘のような本当の話が残っています。

4.【生涯アマチュア】ボビー・ジョーンズの主な戦績

ボビー・ジョーンズの戦績・記録を語る前にまず知ってほしいことは、彼はプロゴルファーにはならず生涯アマチュアを貫いたことです。

アマチュアながら以下の素晴らしい戦績を残していることに驚きと尊敬の念を抱きます。

192119歳の若さで全英オープンに出場
1923|全米オープンに勝利し、初メジャー制覇(全米OPは合計4回制覇)
1924|全米アマ勝利でメジャー2勝目(全米アマは合計5回制覇)
1925|全米オープンでは、初日の11番ホールで、同伴者が申告の必要はない、と進言するも、ラフで自分のボールが動いた、と自ら1罰打を課し、その1打分でプレーオフとなり結局敗れた。

スポーツマンシップ、ゴルファーの鏡(唯一審判のいないスポーツ、セルフジャッジがすべて)と言われるエピソードです。

1926|全英オープでメジャー3つ目制覇(全英OPは合計3回制覇)
193028歳で全英アマを初制覇。この年、ジョーンズは、全英オープン全米オープン全米アマを制し、年間グランドスラマーに輝いた

当時のメジャーは上記4大会、現在のメジャーはマスターズ全米オープン・全米プロ・全英オープンの4大大会です。

この年間グランドスラマーの記録は、メジャー18勝のジャック・ニクラウス、14勝のタイガー・ウッズでも成しえていない偉大な記録です。

しかし、ジョーンズはこのグランドスラム達成のわずか7週間後に引退をしてしまうのです。理由は分かりませんが28歳ならまだこれから、という年齢なのに。4つのメジャーを制覇して、競技ゴルフの天井に気づいてしまったのかも知れません。

5.スイングの特徴は「早打ち」

ボビー・ジョーンズのスイングは当時特徴的でした。

構えたら素早く打つ「早打ち」として有名なスタイルだったんです。腰をクルッと回転してテークバックし、フィニッシュまで振り切るというスイングだったと言われています。(オーガスタナショナルGD引用)

6.【妄想】生涯アマチュアだった理由

彼の生涯を見ていくと、立ち上げたオーガスタ(現マスターズ)に自分の理想のコースを建設したり、とわいえ弁護士は続けていました。

生計を立てるためにもゴルフのレッスン本の出版、ゴルフレッスンの映画制作も行っていました。(ワーナ・ブラザーズにて)

オリジナルのゴルフギアもプロデュースしていて自分の名前がついたアイアンセットなんかをリリースしていました。この時のアイアンの番手に数字を刻んだ物は変革的だったと言われています。

マルチに活躍を見せた彼は、ゴルフを選手としての生き方ではなくゴルフそのものの中で尽くしたかったがために選手にはならずアマチュアの方が何かと便利だったから貫いたのでは?とも感じ取れます。

7.ボビー・ジョーンズ6つの名言

ボビー・ジョーンズは多くの名言も残しているのでその中からいくつか抜粋したものを紹介します。

人生の価値はどれほどの財産を得たか、ではない。何人のゴルフ仲間を得たか、である
この言葉は、ある日のBSで放送されたゴルフ番組で知りました。

私自身はこの言葉通り、お金はありませんが、多くのゴルフ仲間のおかげで楽しい人生が送れています。ゴルフをやっていたおかげで仕事上はもちろんプライベートでも多くの人と出会い、本当に長年ゴルフをやっていてよかった、と心から思います。ゴルフをやっていなかったら出会えなかった、であろう人も多くいます。ボビー・ジョーンズに深く共感してしまいました。

強引なプレーは確かに愚策だよ。でも自分ならやれると思うなら大胆に挑戦するべきなんだ
ボールを打ち続けていればそのうち幸運がやってく
人は敗れた試合から教訓を学び取る。勝った試合からは何も教えてもらえない
ゴルファーは一番身近な最強の敵は自分自身であることにすぐに気づくのである

などなどゴルファーの胸に突き刺さりまくる数多くの名言があります。中には、グランドスラマーの言葉とは思えない

ナイスショットは偶然の賜物

というものもあります。我々アマチュアには至極もっともな言葉です。

まとめ

球聖ボビー・ジョーンズはゴルフ史にたくさんの栄光を手にした人物。ボビー・ジョーンズの生涯はここでは書ききれないほどの功績があります。大げさですが、いま私たちが日常にゴルフを楽しめるのはボビーがいたから、とも言えるかもしれませんね。来週から始まる今年のマスターズでも、毎年開催されるたびにでもボビー・ジョーンズに思いを馳せながら是非楽しんでください。

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