稲見萌寧選手みごと日本人初銀メダル獲得!!!おめでとうございます!
アメリカ代表ザンダー・シャフリー選手の歓喜の金メダルで終わったゴルフ競技男子の結果をまとめた先週に続いて、最終日、一時トップタイに立ち、最後まで日本のファンを楽しませてくれた稲見選手の活躍で盛り上がった8月3日~7日の日程で開催された女子競技についてもまとめました。
目次
1.オリンピックTOKYO2020ゴルフ競技女子
先日男子の結果記事でも書きましたが、オリンピックでのゴルフ競技は1900年のパリ、1904年のセントルイスの2回開催されたあとずっと競技から外れていて、前回2016年のリオデジャネイロで112年ぶりに復活しました。
しかし、女子については、1900年のパリでは開催されたものの、1904年のセントルイスでは開催されませんでした。また第1回のパリ大会においてもわずか9ホールでの競技だったようで女子にとっては東京が実質2回目のゴルフ競技となりました。
2.会場
東京オリンピックが開催されたのは男子と同じ日本を代表する超名門コース霞が関カンツリー倶楽部です。
霞が関カンツリー倶楽部
東コース7,362ヤード18ホールPAR72
(女子はバックティ、レギュラーティを組みあわせて全長6,648ヤードで開催されました)
所在地:埼玉県川越市笠幡3398
設計:赤星四郎・藤田欣哉(改造トム・ファジオ ローガン・ファジオ)
開場:1929年
日本のメジャートーナメントなど大きな大会を何度も開催してきた日本を代表するチャンピオンコースです。今回オリンピック開催に向けて、2016年に2グリーンを1グリーンにするなど大幅な改造を施しました。
オリンピックに向けて約2か月ゴルフ場をクローズにしたそうで、フェアウエイの緑の美しさやグリーンの美しさ、転がりの良さはテレビからも十分伝わってきました。
3.ゴルフ競技女子結果
台風接近の影響
男子は酷暑と突然のゲリラ雷雨などに悩まされましたが、女子も酷暑に加え、今度は台風の接近にも影響を受ける形となりました。
2日目には国際ゴルフ連盟(IGF)競技委員会において、54ホールでの短縮開催も検討されましたが、結局途中中断はあったものの予定通り72ホールで開催されました。
金メダルはアメリカ代表ネリー・コルダ選手
2日目に62というビッグスコアでトップに立った、世界ランキング1位のネリー・コルダ選手が3日目を終わって-15(15アンダー)で2位に3打差をつけて最終日を迎えました。
最終日最終組は、ネリー・コルダ、インド代表のアディティ・アショク、ニュージーランド代表の元世界ランキング1位のリディア・コの3人となり、日本の稲見萌寧選手はトップから5打差の3位タイからスタートし、フロント9では4つバーディを奪うも、ボギーも2つ叩き2打伸ばして最終バック9を迎えます。
首位のネリー・コルダは7番で痛恨のダブルボギーをたたき一時、リディア・コに並ばれたものの、そこから3連続バーディで息を吹き返し、13番からしっかりパーをセーブして-17で逃げ切り金メダルに輝きました。
雷のため試合は中断熾烈なメダル争いだった
稲見選手は、12番からの見事な4連続バーディでコルダ選手に1打差まで迫り、雷のため約50分の中断後の17番の約4mのバーディパットを決め、とうとうコルダ選手と並びました。
しかし、最終18番でセカンドを手前の深いバンカーに入れ、痛恨のボギーとし-16で2位タイとなりました。この時点で稲見選手のメダルは確定しました。
リディア・コ8番でトップに並ぶものの、10番11番の連続ボギーで後退、しかし13番からの3連続バーディで猛追し、17番でバーディを奪い-16とし、18番もパーセーブして稲見選手と2位タイで並びました。
銀メダルを賭けたプレーオフはこの2人で行われ、最初のホール18番で、パーをセーブした稲見選手が、ボギーとしたリディア・コ選手を振り切り見事銀メダルに輝きました。日本人ゴルファーとしてオリンピック初、歴史を変えるメダル獲得となりました。
またこの大会ではモロッコ代表のマハ・ハディウィ選手が2日目の7番ホールでホールインワンを達成しました。実測163ヤード、7番アイアンでのスーパーショットでした。オリンピックでは前回大会に続いて6人目、女子では4人目のエースでした。
なお日本代表のエース格の畑岡奈紗選手と今回は母親の母国フィリピン代表で出場した笹生優花選手は最終日スコアを伸ばしたもののともに-10で惜しくも9位タイでした。
4.メダル獲得の面々を詳しく紹介!
それでは見事メダルを獲得した選手をご紹介します。
金メダル
金メダル|ネリー・コルダ(アメリカ合衆国代表)-17
国籍:アメリカ フロリダ州出身
年齢:1998年7月28日生まれ23歳
身長:177cm
プロ転向:2016年
世界ランキング:1位(オリンピック終了後も1位を維持)
アマチュア時代の2013年14歳で全米女子オープンに出場。2016年にプロ転向し、下部シメトラツアーでシード権を得てレギュラーツアーの出場権を得ると好成績を出し続けています。さすが世界ランキング1位。
2018年-スウィンギングスカートLPGA台湾選手権でツアー初優勝。
2019年-ISPS HANDAオーストラリア女子オープンで2勝目を挙げ、「台湾選手権」も連覇
2021年6月-全米女子プロ選手権でメジャー初優勝、2週連続、ツアー6勝目を飾り世界ランキング1位に昇りつめました。絶好調な状態で東京オリンピックに出場し見事金メダルを獲得しました。
アメリカ代表のオリンピック金メダルは第1回の1900年パリ五輪以来121年ぶりとなりました。ちなみに、東京五輪で15位タイとなったジェシカ・コルダ選手は5歳上の姉。
とってもにているスーパー姉妹ですね!インスタもリッチで、アメリカのゴルフ選手の地位の高さがわかります。
銀メダル
銀メダル|稲見萌寧(日本代表)-16
国籍:日本(東京都豊島区出身)
年齢:1999年7月29日生まれ22歳
身長:166cm
体重:58kg
プロ転向:2018年
世界ランキング:24位(オリンピック終了後)
9歳からゴルフを始め、東京都生まれですがゴルフ環境のいい千葉県に家族で引っ越しました。アマチュア時代から注目され、2015年の「中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン」10位でベストアマチュアに輝いています。日本ウエルネス高校時代には日本ナショナルチームに選出され、古江彩佳や畑岡奈紗とも一緒に戦った。2018年のプロテストで一発合格するも20位タイ(最下位)でギリギリの合格でした。プロ入り後の成績をまとめてみました。
2019年-センチュリー21レディストーナメントでツアー初優勝。
2020年-にも1勝
今年2021年はさらに強さを見せつけ前半戦だけで5勝を挙げ、オリンピック代表を争った、渋野日向子、古江彩佳を最終的にランキングで逆転し日本代表となり、東京五輪ではプレーオフを制して見事銀メダルを獲得しました。プレーオフはツアーも通じて4戦無敗。
畑岡や渋野日向子、勝みなみなどの黄金世代、古江彩佳、西村優奈、安田佑香などのプラチナ(ミレニアム)世代に挟まれた、ハザマ世代(自虐的に稲見選手が名付けた、とか都市伝説的な話もあり)でただひとり気を吐く、稲見選手がオリンピックの大舞台ですごいことをやってのけました。
銅メダル
銅メダル|リディア・コ (ニュージーランド代表)-16
国籍:ニュージーランド(韓国・ソウル出身)
年齢:1997年4月24日生まれ 24歳
身長:167.6cm
プロ転向:2013年
世界ランキング:9位(オリンピック終了後)
韓国ソウルで生まれ、5歳からゴルフを始め6歳の時ニュージーランドへ移住。アマチュア時代から輝かしい戦歴を収め、アマチュア世界ランキング130週連続1位を守り、全米女子アマチュア選手権はじめタイトルを総ナメし、プロツアーでも最年少記録を塗り替えて来た元祖天才少女です。
2012年-14歳10か月でオーストラリア女子ツアー「NSW女子オープン」でプロ初優勝。これは日本の石川遼選手の15歳8か月を抜いて史上最年少記録。(当時)
2012年-アメリカLPGAツアー「カナディアン女子オープン」でも、それまでのレキシー・トンプソンを抜いて15歳4カ月で優勝。アマチュアながら翌年も連覇し16歳でプロ転向。
プロ転向は18歳以上との規定があったが特例で認められました。
2015年2月-男女通じて史上最年少17歳9か月で世界ランキング1位となりました。
メジャー2勝を含む、ツアー19勝を挙げていて、東京五輪ではニュージーランド代表として出場し、2位タイで並んだ、稲見萌寧とのプレーオフで敗れ、銅メダルを獲得しました。
2016年-リオデジャネイロ五輪での銀メダルに続いて2大会連続のメダル獲得となりました。
まとめ
東京オリンピックゴルフ競技は終わってみれば男女ともアメリカの金メダルでした。男子は松山英樹選手が最後の最後まで優勝争いに加わり、女子は元世界ランキング1位と現世界ランキング1位の二人を向こうに回して、日本を代表するショットメーカー、稲見萌寧選手のメダル争いは日本のゴルフファンに大きな勇気と喜びを与えてくれたと思います。ぜひ3年後のパリ五輪では男女とも金メダルを期待したいです。
今回は地元開催でありながら残念ながら無観客開催となってしまいましたが、次回パリでは大歓声のギャラリーの中でゴルフ中継を見たいですね。
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