「投資」という言葉が投資家以外の一般の人たちに身近な存在になっています。というのも、日本政府が、タンス預金や貯金として持っているだけのお金に対し、投資を促進することを政策として助成金を投じて進めていることが大きなきっかけとなっていると思います。
特に若い世代の間では投資に関心が高まっていて、株式投資や、仮想通貨、投資信託などで資産形成を目指す人も増加傾向です。
そんなか、かつてバブル時期に投資として取引が盛んだったゴルフ会員権は今一体どうなんだろう?と、ゴルフ好きの皆さんならばそう考える人もいるのではないでしょうか。
実際、ゴルフ会員権の相続の話をもらっている人は「資産になるのか?」とメリットがあるかどうか考える方もいると思います。
今回は、現代のゴルフ会員権は投資に役立つのかどうかについて難しい言葉を使わず、わかりやすくまとめましたので参考になれば嬉しいです。
目次
1.ゴルフ会員権とは
ゴルフ会員権とは、特定のゴルフ場で会員だけが特別なサービスを受けることができる権利のことです。
ゴルフ会員権の特徴は、証券のように売買できるところです。「このゴルフ会員権ってもしかして投資になるのでは?」と考えている方もいるかと思います。
まず、結論からまとめると、ゴルフ会員権を投資目的では購入しないでください。
その理由は、3つありますので次項で詳しく解説していきます。
ゴルフ会員権は水物とよく言われ、需要と供給のバランスによって価格変動します。需要が高まれば価格が上昇し、需要が低下すると価格が下落してしまうので安定はしません。
2.ゴルフ会員権を投資目的で購入してはいけない理由
結論、約30年前のバブル経済と異なる現代においてのゴルフ会員権の投資としての魅力はかなり薄いです。
ゴルフ会員権を投資目的で購入しては行けない理由は2つあります。
理由①投資としての魅力が薄い
長期的な資産運用ならば、投資信託・債券・金・個別通貨・仮想通貨・暗号通貨というさまざまな投資商材がある中でわざわざ、不安定なゴルフ会員権に賭ける理由がすごく薄いと思います。
あくまでゴルフ好きな方が、好きなゴルフ場を利用する目的で購入しゴルフライフを謳歌できるのがおすすめで、そう言った人が「お得に売却できた!」らラッキーぐらいの気持ちでちょうどいいと思います。
理由②ゴルフ場に払う名義変更料がシンプルにマイナス
ゴルフ会員権を購入するために、ゴルフ場に支払う名義変更料というものがあります。
この名義変更料はゴルフ場によって定められているために価格もまちまちで、値下げ交渉もできません、要はゴルフ場へ払いっぱなしになるお金です。それがシンプルにマイナススタートとなってしまします。
ゴルフをしない方にいたっては、投資を目的としてゴルフ会員権を選ぶ意味がありません。
ゴルフをする人にとっても、会員権がなくともゴルフを楽しむ方法はいくらでもあります。
3.ゴルフ会員権がバブル時代、投資として成り立っていた理由
ゴルフ会員権が投資として成り立っていたのは今から約30年前、バブル期といわれた時代で、ゴルフブーム・ゴルフ会員権の希少性・お金が余っている人がたくさんいたことの3つの条件が揃っていたからでした。
空前のゴルフブーム
人口減少である現代日本に比べ30年前の日本は人口の母数も多く、その中でも空前のゴルフブームで、ゴルフ人口が爆発的に増えていました、1994年のゴルフ人口は1450万人!最もピークだったとも言えます。コロナ禍が発生した2020年には520万人まで減少しています。
ゴルフ会員制の希少性
「億カン」=億会員権、という言葉があったほど、ゴルフ会員権の価格は億を超えるものがゴロゴロありましたし、それを買える人もゴロゴロいました。
しかしバブル崩壊後の現代ではゴルフ会員権を購入する人はゴルフプレーヤー全体の10%未満と言われるほど価値も下がり所持する人も減少しました。
お金が余っていた人がたくさんいた
ゴルフ会員投資という言葉があったほど、バブル期のゴルフ会員権はお金を持っていた日本人にとって一つのステータスにもなっていました。
当時はゴルフ会員権を取得して1ヶ月後には、1.5倍、1年後には3倍というほど現代では絶対にありえない異常な値上がりが起こっていたのです。
残念ながら、現代のゴルフ会員権がそのような値上がり方をすることはかなり難しいく、ゴルフ会員権の価値はバブル崩壊後、10分の1以下に暴落してしまたったゴルフ会員権があり、そのまま経営が破綻し高額で購入したゴルフ会員権が紙屑同然として大損した方も事実としていました。
そんな崩壊を経験したゴルフ場ですが、ゴルフ会員権の価値が全くなくなってしまったわけではありません。
現代も1000万以上価値のあるゴルフ会員権はありますし、会員権を換金して資産としての意味もなくはないのですが、目的が投資目的とすると魅力は薄いと考えていいでしょう。
4.近年ゴルフ会員権を若年層が求めている理由
投資という観点からは魅力が薄いゴルフ会員権ですが、近年、ゴルフ会員権を購入したい若い世代の方増えていたりもします。
ゴルフ会員権に再びスポットライトが照らされている理由が3つあります。
コロナ禍での若い人を中心としたゴルフブーム
2020年に始まったコロナ禍のゴルフ人口は520万人、2021年の調査ではゴルフ人口が560万人と40万人も増えたことがわかっています。
人と接触せずとも楽しめるゴルフは3密を避けられるという理由と、緊急事態宣言で必然的に増えたお家時間での中でゴルフが動画配信との相性が良かったことで再生回数を急激に伸ばし、その動画を観たた若い世代、特に女性が増えました。
これまで「おじさんやお父さんのスポーツ」と言ったイメージだったゴルフスポーツ界にとって若い世代や女性の参加は新しい需要となりゴルフ業界もまた都内チャンス到来が来たという印象です。
ブーム再発に伴うゴルフ場予約の難しさ
これまで需要の少なかった若年層や女性たちのゴルフ場利用によって、ゴルフ場予約のオペレーションの悪さが際立ちました。
歴史あるゴルフ場によっては男性しかターゲットにしていなかった施設の作りになっていることも多く、女性客に対応する設備を整えたりと課題が現場では発生しました。
今ではインターネットやアプリ上で、全国どこでもゴルフ場の予約を取ることが可能ですが、人気のゴルフ場のビジター会員ではなかなか思うように予約が取れないことに気づいた若者たちが、ゴルフ会員権に興味を持ち始めました。
ゴルフ会員権のカジュアル化
バブル時代とは打って変わってゴルフ会員権も時代に合わせて変化をしています。
バブル期に比べてゴルフ会員権が10分の1まで下がっている価格の面は分かりやすく変化していますが、入会制限の緩和もされてきています。
ゴルフ会員権の入会制限はお金を払えば誰でもOKというわけではありません、入会制限を満たした人しか実際は入会することができないのですが、その入会制限が時代と共に変化しているのがカジュアル化していると感じるところです。
例えば、女性入会不可としていたゴルフ場が女性の入会がOKになったりというところは今後も増えていく傾向にあると思います。
まとめ
最近身近になってきた投資。ゴルフ好きならばゴルフ会員権って投資に使える?と一度は考える方もいるかと思いますが、この記事ではおすすめしない理由を具体的に解説してきました。
日本の人口が減っている中で、ゴルフプレーの人口も減少傾向にあると思います。そんな中でもゴルフ好きがゴルフライフを心から楽しむ厚みが増えていければなと感じました。
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