実はゴルフ場のラウンド料金には消費税以外に税金がかかっているのです。ご存知でしたか?案外知らない人も多いのではないかと思います。
また「ゴルフ場利用税」は知っていてもその中身やどうやって決められているのか知っている人はほとんどいないと思います。
この税金は全国一律ではなく、地方税の一種でゴルフ場によっても違いますし、都道府県によっても運用が違うので非常に分かりにくくなっています。私自身もゴルフ場で精算時などに説明されたことは一度もありません。
そこで今回は、この「ゴルフ場利用税」について勉強しましょう。またこの税は非課税になる場合および軽減される場合もありますのでその辺も含めて解説しますので参考にしてください。
目次
1.ゴルフ場利用税とは
ゴルフ場利用税の成り立ちを調べてみると、元は戦後間もない1950年に娯楽施設利用税として創設されました。
都道府県がゴルフ場を利用するゴルファー1人ずつに課税する地方税で、税収のうち7割がゴルフ場のある市町村に交付されていました。
平成元年に消費税が施行された時に「ゴルフ場利用税」と名を変え、現在も続いています。消費税がなかった日本とか今では考えられませんが、そんな昔じゃないですねw
すでに70年近くの長きにわたって課税されている税ですが、要するに「ゴルフはスポーツではなく、娯楽、贅沢な遊び」という位置づけでずっと今まで来ているということです。
これにはちょっと驚きです。ゴルフはオリンピック競技にでもあるのでスポーツとして十分だと思うのですが、、eスポーツよりもはるかにスポーツ感はありませんか?
日本では、2019年でもゴルフは娯楽となっていますので今後変わる可能性は大きいですね。
1980年代までならまだしも、ここ数年でゴルフを始めた人や若い人を中心に私たちゴルフアーにとっては??って感じではないでしょうか。ちなみに2016年のデータでは、全国で私たちゴルファーが納めた利用税は約460億円だそうです。かなり大きい金額ですね。驚き。
ゴルフを楽しむ人間は税金を納めているわけです。どう使われているのか急に気になってきました。理解を深めていきましょう。
2.ゴルフ場利用税はどうやって決まるの?
利用税はどういう基準で決められているのか、ですがこれが結構複雑で正直「わからない」が結論です。
利用税の基準が複雑すぎてわからない理由
ゴルフ場の規模やプレー料金などによって一応下記のような基準、等級がありますが、都道府県によってもバラバラで、統一的なものはないようです。(詳しくは次項でまとめました)
複雑な要素はまだあります。
例えば、同じゴルフ場でも季節やプレー形態の違いによる金額変動によって税率も変化する場合があります。各都道府県に問い合わせてもなかなか明確な説明や開示はしてくれないケースが多いと聞きますので、詳しくはわからないというのが実情です。
ゴルフ場利用税の基準・等級
1200円を上限、標準税率800円として等級が分かれています。(1人1日の料金)
階級 | 利用税 |
1級 | 1200円 |
2級 | 1100円 |
3級 | 1000円 |
4級 | 900円 |
5級 | 800円 |
6級 | 600円 |
7級 | 500円 |
8級 | 400円 |
3.県によってこんなに違うゴルフ所利用税
先ほどゴルフ場利用税は都道府県によってバラバラと言いましたが、以下に例を挙げておきます。
茨城県 | 茨城県公式サイト | 上限1200円、下限400円は基準通りですが、12段階に分かれています |
神奈川県 | 神奈川県公式サイト | 4段階しか等級分けがなく、1級1200円から4級400円までととてもシンプルな税体系です |
千葉県 | 千葉県公式サイト | 全国でトップ3に入るゴルフ場の数を誇る県らしく、等級が12段階で、12級だと350円と安く設定されています |
兵庫県 | 兵庫県公式サイト | 兵庫県は日本のゴルフ発祥の地であるとともに千葉県同様全国有数のゴルフ場集積地ですが、9段階(特級という名称もおもしろい)の等級分けで下限は300円となっています |
以上のように自治体によって運用がかなり違っていますので皆さんも自分のよく行くゴルフ場のある県の税体系を確認するのもいいかもしれませんね。
出典:税務+会計+時々ゴルフ
ゴルフ料金の明細には必ず「ゴルフ場利用税」が明記されていますので、今度ラウンドした時には参考に明細を確認してみてください。
4.ゴルフ場利用税が非課税になる4つの条件
「ゴルフ場利用税」には非課税になる人がいます。この非課税制度は2003年にできました。
ゴルフ場利用税が非課税になる4つの条件
- 年齢18歳未満および70歳以上の方(年齢を証明できる証明書、運転免許証など)
- 身体障害者の方(身体障害者手帳など)
- 国民体育大会のゴルフ競技に参加する方(都道府県知事が発行する証明書)
- 学生および引率する教員がその学校の教育活動として利用する場合(学校長が発行する証明書)
下記に該当する人はゴルフ場チェックインの際、必要な証明書を見せて非課税処理をしてもらってください。
成人していてゴルフを楽しんでる人は通常通り利用税が発生します。ただ軽減されるケースがあります。こちらは該当するかもしれませんよ。
ゴルフ場利用税が軽減される場合
ゴルフ場利用税が軽減される場合が都道府県によりますがあります。ここでは軽減措置が比較的充実している千葉県や茨城県の例を紹介します。
千葉県の軽減例
- 対象:65歳以上70歳未満(年齢の分かる証明が必要です)
- 軽減率:2分の1に軽減
茨城県の軽減例
- 65歳以上70歳未満の年齢による軽減措置は千葉県と同じ
- 一部の競技会に参加するプロゴルファー以外の選手の利用、早朝や薄暮プレーでの利用など
- 軽減率:2分の1に軽減
私が調べた中では千葉や茨城と同じように・65歳から70歳の軽減措置を行っている都道府県は多いようです。
ただし、軽減措置が適用される条件が複雑で一概には言えませんし、同県内でもすべて適用されるわけでもないので各ゴルフ場に確認する必要がありますのでご注意ください。
ゴルファーとしてはもっと一律にルール決めてもらいたいですね。
5.ゴルフ場利用税廃止への動きの可能性
来年の東京オリンピックでは霞が関カンツリー倶楽部でゴルフ競技が開催されます。
オリンピック種目の中で、プレーするために特定の利用税が課せられているスポーツはほかにありません。
例えば、野球場や体育館、テニスコートを利用するのに利用税は課税されませんね。ゴルフだけ課税されるのは納得いくものではありませんし、ゴルフ人口の増加、底上げには決して寄与しないことは明らかです。
ゴルファーとしてはこの利用税の廃止を求めたくなります。
実は国会議員にもこう思う人もいるようで、衆参の国会議員で結成された、「超党派ゴルフ議員連盟」や「自民党ゴルフ振興議員連盟」もあり、総勢135名の議員が所属しています。
連盟はゴルフ場利用税廃止に向けて活動していますが、地方自治体の強い反対もあり、なかなか進展していないのが実情です。
つい先日19年1月に両連盟の合同総会があり、今年の通常国会に廃止法案を提出することを決めました。(参考:https://news.golfdigest.co.jp/news/article/87454/1/)しかし法案提出には連盟所属議員だけでは足りず、各党への働きを強める、としていますが、今まで何度もこういう機運が持ち上がっては消滅してきた経緯があるので、過度な期待はできません。
そうはいっても利用税が創設された70年前とはゴルフを取り巻く状況が大きく変わっているので、何とか進展してほしいです。
まとめ
暖かくなってきて最高のゴルフシーズンが近づいてきました。とても楽しく健康にもいいゴルフですが、皆さんはいままで料金明細をよく見ていましたか?
私も今まで何気なくプレー費を払ってきましたが、この利用税のことを知ってからは、やはり素直に納得できていません。
特にホームコースに行く場合などプレーフィ全体に占める利用税の割合が1割を超えていることもあり、これは高い、と思わざるを得ません。私は一日も早く廃止してほしいと願うゴルファーの一人です。
ちなみにゴルフ練習場には利用税は課されていませんので、ご安心を。
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