パター練習をしている方に『芝目の見分け方』を知っていて損はありません。
国内のゴルフ場の芝の種類は主に2種類。種類ごとの特徴を理解することでグリーンの読み方、パターの結果を変えることへつながります。
ゴルフをする人なら多少なりとも芝の名称である高麗(コウライ)とかベントという言葉を聞いたことがありますよね。この芝目を読むのはあながちできないもの。今回は日本のゴルフ場で使われている主な芝の種類や特長について解説します。芝を読めれば、あなたのパタースキルがまた1段階レベルアップします。
目次
1.国内のグリーンでもっとも使用される2品種の芝
国内のグリーンで主に使用される芝の種類とその特長について解説します。
1位ベント芝
画像出典:ゴルフ場グリーン専用生芝
現在国内のほとんどのグリーンで使われているのがベント芝です。主流である「ペンクロス」や改良種の「ペンA2」「007」なども含まれます。
ベント芝の特徴は、高速グリーンを作るのに適していて、葉の密集度も高いので美しい見た目にもなります。
ただ暑さに弱いので、猛暑の年や高温がずっと続くような場所にあるゴルフ場では傷んで枯れてしまうこともあります。あまり芝目が強くないので、芝目より傾斜とスピードを如何に読むかが大事になります。
2位姫高麗芝(ヒメコウライシバ)
画像出典:ゴルフ場グリーン専用生芝
以前は国内グリーンではこの芝が主体でしたが、冬に枯れてしまって色が悪いことやグリーンの高速化、ゴルフ場のワングリーン化の波もあってどんどん減っています。
男子プロのJGTO開催コースで高麗グリーンを使用するのは、KBCオーガスタが開催される芥屋ゴルフ倶楽部のみになっています。
姫高麗芝(ヒメコウライシバ)の特徴は、芝目が強く、カップ周りでも芝目で切れることがあるので最後のショートパットまで気が抜けません。
国内で使用されている芝は1位がベント芝・2位が姫高麗芝(2019年現在)です。芝の変化はパターに影響がありそうですね。ベント芝・姫高麗芝以外にもグリーンに使用される芝の種類があるので少しだけ次項で解説します。
2 .グリーン芝|基本の種類
北海道から沖縄まで気候や平均気温が異なるのでグリーンの芝もそれに従って種類が変ります。寒いところ暑いところに合わせて2つに分けられます。
- 暖地型|寒さに弱く冬には枯れてしまう
- 寒冷地型|暑さに弱く夏に枯れてしまう
さらに芝は元々日本に自生していた品種の日本芝。外国からきた西洋芝(洋芝)の品種があります。
どんな気候の県でラウンドするかで芝をぜひ観察してみてください。それではそれぞれの芝の特徴を事項で解説していきます。
3.冬に枯れる暖地型
- ※日本芝=夏芝、西洋芝=冬芝と間違いやすいですが西洋芝にも夏芝はあります
日本芝3選
寒さに弱く冬には枯れてしまう暖地型の芝は国内でよく使用されているため、「日本芝」と呼ばれています。国内の冬場のゴルフ場の芝はほぼ茶色く枯れていますもんね。冬場はゴルフがそこまで盛んではありませんから暖地型の芝が採用されているのだと考えられます。
んな日本芝の代表的なものは3種類あり野芝(ノシバ)、高麗芝(コウライシバ)、姫高麗芝(ヒメコウライシバ)。
野芝(ノシバ)の特徴
日本芝でも耐寒性が高く手間がかからない、ラフで多く使用される芝です。
高麗芝(コウライシバ)の特徴
日本芝の代表格でティーイングエリアやフェアウェイで使用されることが多く、ボールが浮きやすいのが特徴。
姫高麗芝(ヒメコウライシバ)の特徴
日本芝の中で一番密度が濃く生えるが、踏圧には弱いグリーンに使用されることが多く、芝目が強くボールの転がりに影響を与えるのが特徴。以前は国内のゴルフ場に多く使用されていたが現在は少数派となってしまった芝です。
西洋芝2選
寒さに弱く冬には枯れてしまう暖地型の中でも特別夏の暑さや高温多湿に強い芝があります。これは「西洋芝」と言われており、バミューダやティフトンなどの種類で、主に沖縄はじめ南国での使用が多い芝です。
バミューダ芝の特徴
沖縄のグリーンでの使用例が多く、姫高麗芝のように芝目がきついのが特徴。
ティフトン芝の特徴
ミューダの改良芝で本州でもラフなどに使用されているところがあり、ボールがすっぽり沈むので難しいライになるのが特徴。
4.夏に枯れる寒冷地型
冬の寒さにも強く、全国のほとんどのゴルフ場でグリーンに使用されているベント芝やブルーグラス、フェスキューなどの種類があります。
寒冷地型は西洋芝のみ
日本特有の高温多湿には弱く夏場の手入れが難しい芝なので西洋芝です。海外で見ることの方が多いかもしれません。
ベント芝
葉が柔らかく、芝目ができにくいため高速グリーンを作ることが可能です。
ブルーグラス
北海道のゴルフ場でフェアウェイに使われていることが多いです。
ライグラス
発芽・生育が早いのでティーイングエリアやフェアウェイのオーバシードに使われたり、北海道のゴルフ場でラフに使われていることが多いです。
フェスキュー
北海道のラフに使用されるケースが多いです。
5.芝目の攻略法
ほぼ全国のゴルフ場のグリーンで使用されているベント芝の読み方、攻略法について解説します。
芝目が強くないベント芝でも山岳コースやカップ周りではやはり芝目の影響を受けることはあります。富士山麓のゴルフ場で富士山のほうから順目というのは有名なゴルフあるあるです。ぜひグリーン上で役立ててください。
芝攻略法1|ボールの後ろからカップを見る
芝の見え方によって順目なのか、逆目なのかがわかります。
- 芝の色が白く光って見えた場合は『順目』
- 芝の色が黒く濃く見える場合は『逆目』
芝攻略法2|カップの真上から見る
カップの切り口を見れば、芝目が見つかる場合があります。葉先の方向を見るのがコツです。
芝攻略法3|芝の色を見る
ボールからカップ方向の芝の色が薄いと順目、濃く見えると逆目と言われています。
芝攻略法4|カラー(グリーンエッジ)を見る
カラー(グリーンエッジ)やその外周のラフを見ることで芝の方向が分かる場合があります。
芝攻略法5|次のホールへの導線を考える
プレーヤーは次ホールへ向かってみんな歩いていきます。同じ方向に芝を踏んでいくので次のホールに向かって順目になっているケースが多いです。
以上、グリーン芝の攻略法でしたが、実際、グリーンは生き物で、日によって芝の状態や速さも違います。毎週行くようなホームコースならまだしも、月一ゴルファーにはなかなか芝目や傾斜を読み切ることは難しいです。だからこそ、たまに読み切ってカップインした喜びや興奮は何物にも代えがたいものがあります。
まとめ
芝はとても繊細なものなので、日本のように四季があり年間通して温度や湿度が大きく変わる国では芝の管理はとても大変です。
今度ラウンドするときは、毎日コースやグリーンの芝の手入れをしているグリーンキーパーの苦労も感じながら、その美しさとともにグリーンを攻略する楽しみを味わってください。
マスターズが開かれるオーガスタナショナルや日本の多くのトーナメントコースでの絨毯のようなグリーンはとても美しいです。そんなきれいなグリーンですが、プロゴルファーはグリーンの読み方、パターで人生が決まると言っても過言ではないほどです。またアマチュアでもラウンドを重ね、フェアウェイやラフでの順目、逆目でのヘッドの抜け方が分かってきたり、グリーンの芝の種類や芝目などに興味が出てきたら、ゴルフがかなり面白くなってきた証拠でもあります。
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