ゴルフ会員権の購入時の支払う項目に「預託金」が存在します。
預託金と聞いても聞きなれない言葉なので、相場がどのぐらいなのか、一体なんのためのお金なのかがほとんどの人がわかりません。
預託金について必要な知識を、初めての方にわかりやすく解説していきます。
目次
1.預託金とは
ゴルフ会員権の預託金(よたくきん)とは、ゴルフ場の会員資格を取得する際にゴルフ場へ預けるお金のことです。
すべてのゴルフ場が預託金を設定しているのではなく、預託金を設定する時は、そのゴルフ場が新規募集する場合に限ります。
なので預託金=新規募集と覚えてください。
具体的には、ゴルフ場が新規でメンバー募集をする時にゴルフ場に預けるお金のことで、新規の会員に対して入会金や年会費などとは別に、ある程度の金額を預託(よたく)してもらうことがあります。
※預託の言葉の意味=「あらかじめ金銭や物品などを保管すること」
預託金の相場
現代の預託金の金額は、数十万〜数百万前後でゴルフ場によって価格がまったく変わってくる為金額の幅が広く相場を出すことができません。
預託金の相場=ゴルフ場によってまったく異なるので直接ゴルフ場へ問い合わせた方が早いと考えてください。
「〇〇カントリー 相場」と検索すると預託金について確認することができます。
東京都桜ヶ丘カントリークラブの預託金額を例としてみていきましょう。東京都桜ヶ丘カントリークラブは歴史のある由緒正しい名門コースです。
東京都桜ヶ丘カントリークラブの場合
会員種別:正会員
入会金 1400万円
年間費 55,000円
預託金 300万円
手数料 28,000円
預託金の使い道
預託金は一体何に使われるのかというと、主にゴルフ場の運営に使用されます。
具体的には、ゴルフコース、クラブハウスの施設の維持管理費用や草刈り、施設の修繕、スタッフの給与、運営コスト、会員向けの特典やサービスを提供するための資金としても利用されます。
ゴルフコースの芝のクオリティが良いところは運営資金が潤沢だとも考えられます。
預託金という預かり金=預託金制の会員権
預託金を設定しているゴルフ場を預託金制の会員権と言います。
日本の約8割のゴルフ場が預託金制をとっていると言われていますが、近年はゴルフ会員権のカジュアル化もしていて、預託金充当制度を採用し預託金(¥0)を取らないゴルフ場が増えてきています。
預託金の据置期間(すえおききかん)
預託金は、一定の期間が過ぎたてから返還されるという条件があります。
この一定の期間は、据置期間(すえおききかん)と言われています。据置期間はゴルフ場によって設定されているので一律で決まっているものでもありません。
据置期間が満了していないと預託金は返還されません。
預託金の据置期間=年会費を払う期間と覚えてください。
自分の会員権の据置期間が何年なのか?今後「ゴルフ会員権を手放したい」と考えたときに必要になってくる情報なので覚えておきましょう。
預託金は退会する際に返還されるお金
預託金は、一定期間(数年〜数十年)を過ぎて退会する時に返還されます。
具体的には、無利子で10年〜20年ほどの一定期間を据え置きされた後にゴルフ場を退会しゴルフ場に会員権を返納することで返ってきます。
注意点は、退会した際に返還されますが、ゴルフ会員権を売却した場合は返還されません。また、退会したにもかかわらず「預託金が返還されない」というトラブルも過去に起きていますので次項でさらに詳しく解説していきます。
預託金は返金されないというリスクがあるということを覚えておきましょう。
2.預託金が返還されない2つのケース
「預託金が返還されない」といったケースは主に2つあります。
1つはゴルフ会員権を第三者へ売却した場合、2つ目はゴルフ場の経営不振で資金がない場合です。
①第三者へ売却した場合
預託金の特徴として、ゴルフ会員権を第三者へ売却すると預託金は返ってきませんので注意が必要です。
理由は、会員権の売買は預託金の返還請求権も一緒に売買されるので、第三者へ売却すると預託金は返還さません。
②ゴルフ場にお金がない場合
ゴルフ場の経営不振によってゴルフ場に余分な資金がない場合も預託金はすぐに返金されない場合があります。こういった場合のゴルフ場は2つの方法で預託金を返金していることが多いです。
- 数年に分割で返還される
- 年間のゴルフ経営で利益が出た分を抽選をして返す人を決めて返還される
最悪の場合、ゴルフ場の経営が悪化して潰れてしまった場合は1円も返ってこないということが過去ありました。
原因は、バブル崩壊に伴う会員権の下落でゴルフ場が返還する預託金のキャッシュを用意することがかなり困難になってしまい、現在も返還できていません。
当時かなり被害者が出てしまい、社会的に問題になり「預託金償還請求問題」や「預託金問題」と呼ばれています。
このような背景から、現在のゴルフ場側は最大限の配慮として最悪分割や抽選で返還するという手段をとっています。
預託金についての解説はここまでになります。
- 預託金とは、ゴルフ場が新規募集の際にゴルフ場へ預けるお金
- 預託金の相場は、ゴルフ場によって金額の幅大きく異なるので直接問い合わせるのが速くて正確
- 預託金は、ゴルフ場運営に使用される
現在は、バブル期と違ってゴルフ場が経営困難で潰れてしまうということはありませんのでその点は安心してください。
次に預託金と言葉がとても似ていることで混在されがちな入会預託金との違いについて分かりやすく解説していきます。
3.預託金と入会預託金の違い
預託金と入会預託金は言葉は似ていますがまったく別のお金です。
入会預託金は、第三者から名義変更によって入会するときにゴルフ場に預けるお金です。
入会預託金は、名変預託金とも呼ばれますのでこの言葉とも混在しないように注意してください。
入会預託金は主に、関東圏の名門ゴルフ場が扱っていてそれ以外のゴルフ場ではまず見たことがありません。
- 預託金=新規募集
- 入会預託金(名変預託金)=第三者から名義変更によって入会・関東にある名門コース限定
と覚えてください。
入会預託金は、名変預託金(めいへんよたくきん)とも呼ばれますのでこの言葉とも混在しないように注意が必要です。
入会預託金の相場
関東の名門ゴルフ場によって金額は変わりますが100万円〜500万円のレンジで設定されていることが多いです。
入会預託金はほぼ100%返還される
預託金は、場合によってすぐに返還されないことがありますが、入会預託金はほぼ100%返還されます。この違いは、入会預託金を設定しているゴルフ場は主に関東圏の名門ゴルフ場でそもそもゴルフ運営経費が潤沢にうまくいっていて単純に資金があることが理由です。
入会預託金が過去に返還されなかったという話も聞いたことがありません。
返還されるタイミングは、ゴルフ会員権を第三者に売却した時または、その会員権を購入した方が、ゴルフ場に入会したタイミングで返還されるのが一般的です。
入会預託金は、退会した時は返還されませんので注意してください。
- 預託金=会員権を売却すると返ってこない・退会すると返ってくる
- 入会預託金=ゴルフ場を退会すると返ってこない・売却すると返ってくる
預託金と入会預託金の違いについての解説は以上になります。
4.預託金と入会預託金の違い一覧
預託金と入会預託金の違いを一覧にまとめています。
預託金(よたくきん) | 入会預託金(にゅうかいよたくきん) | |
目的 | 新規募集の会員権 | 第三者から売却した会員権 |
相場 | 数十万〜数百万 | 100万円〜500万円 |
返還されやすさ | △返還されにくい | ◎返還されやすい |
返還されない場合 | 売却すると返還されない | 退会すると返還されない |
返還されるタイミング | 退会した時 | 売却した第三者が入会した時 |
別名 | 特になし | 名変預託金とも呼ばれる |
適応地域 | 新規募集している全国のゴルフ場 | 関東の名門ゴルフ場 |
譲渡 | 譲渡できる | 譲渡できない |
5.預託金0円!メリットしかない預託金充当制度とは
預託金充当制度(よたくきんじゅうとうせいど)とは、会員権についている預託金を名義変更料に当てて、名義変更料を安く抑えることができる制度のことです。
わかりやすく例をあげてみます。
ゴルフ場Aの会員権を購入して、そこに預託金が20万円、名義変更料が30万円だとしたら、預託金の20万円を無くす代わりに名義変更料を10万円に減らすことができます。
ゴルフ場A
入会金 90万円
年会費 3万円
名義変更費用 30万円
預託金 20万円
手数料18万円
———————
合計161万円
↓
預託金充当制度を適応したゴルフ場B
入会金 90万円
年会費 3万円
名義変更費用 10万円
預託金 0円
手数料18万円
———————
合計121万円
預託金充当制度は主にPGMやシャトレーゼの会員特典として広く採用されています。
預託金充当制度のメリットは、会員権を売る人は預託金の金額を超えた金額で売却が可能になりやすく、入会する人も入会時のトータルに費用を抑えることができる為、売る側・買う側どちらにもメリットがある制度です。
まとめ
ゴルフ会員権の預託金について解説していきました。
ゴルフ会員権のカジュアル化が進み「ゴルフ会員権は高い」「敷居が高い」といったことがもうなくなっている時代が来たなという感じがしています。
ゴルフは一生できるスポーツですのでゴルフプレーの年間回数がそれなりの方は一度検討する価値はおおいにあると思います。
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